爆笑問題風どれみ原論

「『おジャ魔女どれみドッカ〜ン!』ショー」の巻

T>いやー凄かったね、どれみ着ぐるみショー。

O>そうか?

T>そうかってお前、見たのかよ? ショーを見に来た子供たちの嬉しそうな歓声。ああ、やっぱりどれみたちは子供たちのヒーローなんだなって実感したよ。

O>決して、大きなお兄さんのものではないよな。

T>わかってるよ! いちいち付け加えるな!

O>しっかしどうなのかね? ホントに子供たちは喜んでたのか?

T>喜んでたよ。見ただろ、お前も?

O>ああ。司会のお姉さんをな。

T>どこ見てんだよ!

O>遂に開演時間になって、『ドッカ〜ン!』のアバンタイトルの曲が流れて、続けて主題歌がかかっていよいよこれから…と期待させたと思ったら、出てきたのは何のことはない普通の係員。このスカシには驚いたね。見事なもんだよ。

T>だからどこ褒めてんだよ! 本人には絶対そんなつもりねえよ!

O>あの後子供たちに「みんな元気ないぞー、もっと大きな声でー」って呼びかけてたけど、当たり前だよな。子供たちはあくまでもどれみたちに会いに来たのに、主題歌をバックに出てきたのは単なるスタッフ。相当がっかりしたと思うぜ。テンション下がるのも当然だよ。

T>もういい! …けど、ストーリーそのものも、まあ作りこまれていたほうじゃないかな。どれみとオヤジーデ、両方の願いである「デート」を叶えてあげたいがために、暁とおんぷと交互に入れ替わって変身してたハナの行動は、まさに原作に沿った動かし方だったと思うよ。

O>またハナか…

T>今度は何だよ。

O>遂に着ぐるみショーですら、でしゃばり始めたか……もういい加減、子供たちも飽きてきてるんじゃないか? ハナがひたすら目立ってる最近の展開。

T>そんなことないだろ。

O>今回だってそうだろ? 2人に詐欺罪を働いておいて……

T>ンな大げさな話じゃねえよ!

O>おんぷやももこに怒られても、結局は許されてるんだから。大体こんな展開なんだよ、最近。ハナの精神年齢2歳な設定を生かした、ピュアな心が結果的に人を救う。本人何にも考えてないのに、何故かみんなに感謝される。子供だって、早々何度もうまくいくわけねえだろ! って絶対2、3回はツッコんでると思うぜ。

T>どんな子供だよ!

O>世の中そんなに甘くねえんだよ! いつまでもそうやって純粋なままで生きられると思うなよ、ヘッ!

T>小6相手にムキになるなよ! お前が一番大人げねえよ。

O>お前もそのうち、はづきやあいこみたいにショーからその存在そのものを抹消される運命にあるんだよ。

T>ほっといてやれよ、そこは!

O>ひどいぜ、あれは。だって着ぐるみはおろか声の出演すらないんだぜ? 「まだMAHO堂に来てない」とか「はづきちゃんもあいちゃんも驚いてた」とかいうセリフのフォローだけしかされてないんだからな。

T>だからその話はやめろ!

O>お前らは時々思い出したように元親友・木村のことを話す小竹か!

T>うるせえ、いちいち例えるな! しかも「元」っていつ決まったんだよ!

O>親は子供たちに、何て説明すればいいんだろうな……

T>いきなりテンション落とすな!

O>「ねえねえママ、どうしてはづきちゃんやあいちゃんは、出てこなかったの?」「どれみちゃんたちが言ってたでしょ? 偶然いなかっただけよ」「いつもTVでは一緒にいるのに、どうして今日に限っていなかったの?」「それは……」

T>勝手に会話作るなよ!

O>そう言って口ごもる母。その表情の変化に気づいた娘は、子供ながらにして何やら深い事情を察する……

T>いつまで続くんだ、お前の妄想。

O>そして少女は大人になっていく。売れなければ芸能界では生き残れないという現実を知って。トンでもねえショーだよな。

T>トンでもないこと言ってんのはお前だ! それに芸能界は関係ねえよ!

O>ま、もっと問題なのは、会話の中にすら名前が出なかったぽっぷだけどな。

T>いい加減にしろ!

O>あと、細かいところも気になるよな。BGMとしてどれみで使われてる曲がそのまま流されてたのは、臨場感があってよかったのは確かだったけど、問題は挿入歌。

T>何だよ急に。

O>子供が「『ス』のつく恋人」なんて知ってんのかね?

T>うーん……

O>だろ? キャラクタソロCDなんて、そんなにたくさんの子供が買ってるとは思えねえんだよ。劇中で使われた曲、例えば『魔法でチョイ2』ならなじみがあるだろうけど、聞いたことのない曲をいきなり当たり前のように聞かされても戸惑うだけだと思うぜ。司会のお姉さんは「一緒に唄おう!」って呼びかけてたけど、ちょっとムリがあるとしか思えねえんだよな。

T>それは、そうかもしれないけど……

O>結局は子供の見るものだからな。そこんとこを考えれば、はづきもあいこもきちんと出すべきだし、できる限り原作に近づける努力も必要だと思うぜ。例えばオヤジーデの着ぐるみ。サイズがどれみたちと一緒だから、どうしても違和感がある。身長が一緒ってだけでもかなりヘンだと思われるんじゃねえかな。

T>仕方ない気もするけどな、その辺りは。着ぐるみなんだし。

O>けど、例えば『ドラえもん』なんかは、原作者が「ドラえもんは身長が小学4年生と同じくらい。だから着ぐるみであっても、子供たちを見下ろすことはさせたくない」と強い要望を出して、特注の着ぐるみを作って対応したなんて話があるぜ? そこまでとは言わねえけど、やっぱり『どれみ』という作品を扱う以上は、そのくらいの心意気が必要だと思うんだよ。

T>気持ちはわかるけど……

O>だからやっぱり、暁は出すべきじゃなかったな。

T>いきなり個人攻撃かよ!

O>間違いなく、子供たちは覚えてねえぜ。『も〜っと!』では出番が皆無、『ドッカ〜ン!』でも春に2回出ただけで音沙汰なし。そんなキャラを覚えてるほうがおかしいんだからな。

T>そんなことねえだろ!

O>そして最後に。お前ら見習い服のまんまでデートに行くんじゃねえ! バレバレじゃねえか!

T>着ぐるみだから仕方ねえって言ってんだろ!


公開日:2003年10月15日