「…………で?」
と、まさるが問うた。色々な意味を含ませつつも、必要最小限な言葉の数で済む、その問いかけを。やる気なさそうに。面倒くさそうに。すなわち、いつもと変わらずに。
場所は、いつもの河原。トランペットの練習場所。そして、本人が望もうが望むまいが、色んな人の相談場所にもなったり、鳩笛(以下略)だったりと、まぁ大切な場所だ。
その聖域に、全然似合ってない人間がいた。
「ヘヘヘ……覚えてるか、俺たちを?」
「別に」
正直に答える。それも即答。記憶のどこにもない以上、考える余地はない。
一方、その見覚えのないガクラン姿――察するに、町の外の中学生だろう――の少年たちは、睨み続けるその視線をさらにきついものにと変える。意外だったらしい。少なくとも、彼らにとっては。
「ちっ、これだからお子様は……」
「でもじゃあ、そのお子様に負けた俺たちって――」
ドカバキッ。
2番目の奴が吐き捨てると、3番目の一際気の弱そうな――その分3人の中では比較的、かつ圧倒的に常識がありそうな――奴が口を挟む。で、口火を切った1番目の奴と、2番目の奴にドツかれる。
『余計なこと言ってんじゃねぇ』
彼らの中では、お決まりなパターンらしい。くだらねぇ、とまさるは心から思った。SOS以下とすら思った。
気を取り直して、1号(←略した)が言ってくる。
「まぁとにかく……覚えてないなら、思い出させてやるまでだ」
「別にいい」
「いいから聞け。今からさかのぼること2年前――」
きっぱりと断ったのに、それでも話し出す1号。語りたがりなのかもしれなかった。
「この町の空き地で、俺たちはお前にボコボコにされたんだ!」
「そうだ!」
「…………いや、それだけですか、リーダー? もうちょっと婉曲な表現を重ねて、長めに尺を取って話すとか」
また3号が1号と2号にボコられる。真っ当な指摘であるとは、まさるも思うが。
が、効果はそれなりにあった。
(思い出しちまった……)
無論、その理由は彼らにはない。その事件の後、自分に起こった出来事が、あまりにも鮮烈だったから。
小3の頃。父がもうすぐ赴任先から帰ってくる、という時。父から託されたトランペットを練習したくて、でも場所がなくて、色々ブラついていた頃。騒動も多く起こし、学校ばかりか警察にまで呼び出された。精神的にアンバランスだった頃。それを救った担任。そしてお節介な女子が、3人(※当時)。彼女たちの力がなければ、今の自分はない。それは間違いなかった。
……ついでに言うなら、その3人(※当時)が、何かとヘンな行動をとり始めたのもその辺りからだ。まるで、自分たちに何かを隠しているかのように。
「ったく、そのトランペットを蹴っただけで、急に暴れ出しやがって。これだから最近のガキは……」
「何にせよ、まだ持ってたとは好都合だ」
(……当たり前だろ)
2号、1号の言葉に、まさるは胸中で答えた。母を頼むと言った父から託されたたからもの=B埠頭でそれを吹く、父の後ろ姿。一生忘れない――
「……で、だから俺にお礼参りってやつを、しに来たってのか?」
情けねぇ奴ら、と思いながら、実際に言葉に出してやるまさる。
「そういうことだ」
と言って1号が、背中に手を回した。その動きをこっそり注視しながら、まさるが答える。
「悪ぃけどパス。ケンカの相手なら、充分足りてるし」
刹那。
まさるは身をひるがえした。一瞬でも遅れたら、危険だった。
くぐもった茶色のひらめき。視線を送る。それは木刀に見えた。
その一撃は、間違いなく右手のトランペットを狙っていた。
「くっ……」
うめいて後づさるまさる。
(正気か、こいつら……!?)
マトモな神経があるなら、小学生相手のケンカにそんな物騒なものを取り出すはずはない。何より、そんなもので殴ろうものならそれこそ警察沙汰だ。そんなこともわからないのか、この連中は?
「ちょ、ちょっと2人とも!? 話が違うじゃねぇですか、本気で殴りかかるなんて……!?」
慌てて3号が止めに入るが、1号、2号は止まらない。
「うるせぇ、忘れたのか!? こんなクソガキに負けたおかげで、この2年間俺たちは校内中の笑い者だ!」
「だから俺たちはリベンジを果たしに来たんだろ!?」
リベンジ。最近は言わないなぁ。『魔術士オーフェンRevenge』は天人モドキの描写に賛否両論あったけど(←何の話だよ)。
ともあれ。狙われ続けるトランペットをしかと握り締めながら、まさるは考えを巡らせた。
徒手空拳なら、戦える。その自信はあるし、むしろその方がやりやすいと、まさるは自負している。
しかし今、右手は使えない。トランペットを守らなければならない。いったん地面に置いて応戦するという手も考えたが、獲物を持った2人を足止めする自信までは、さすがにない。1人抜かれたら、アウトだ。それを見透かしての作戦行動だろう。そんなところに使う頭があるのなら、もっと他のところに使え、とまさるは心底思った。
(クソっ……どうすればいい?)
不意に、誰かの顔が浮かぶ。お節介な奴。幼なじみのお嬢様。いや、とまさるはその思考を打ち消した。確かに今までの経験から統計学的に判断して、彼女たちが都合よく現れることはそう珍しくない。なぜか。が、そんなことはどうでもいい。こんなことにあいつを――彼女たちを巻き込みたくない。彼女たちの力が必要とされるのは、もっと別の問題だ。
だが、もし。自分の知り合いの中で、遠慮なくこーいった事件に巻き込めそうな奴といえば……
「……ひょっとして、大ピンチって奴か? バカ矢田」
そう。こんな声だ。と考え、まさるは苦笑した。お約束すぎる。それこそあいつらじゃあるまいし……
河原の上の道路に、彼は立っていた。長谷部たけし。ケンカ相手だ。それ以上でも以下でもない。
「別にぃ」
正直に、まさるは答えた。「大」ピンチではない。ただのピンチではあったかもしれないが。
その、新たに現れた少年に気づき、1号が言う。
「何!? 高い所から現れるとはなんてお約束な……お前の友達か!?」
『いや、ぜ〜んぜん』
全く同時に、まさると長谷部が答えた。全否定。しかし、時に全否定は全肯定となりうる。逆説的に。
「そもそも、まず状況がつかめてねェし。ま、興味もねぇけどな」
と言いつつも、しっかり河原に降りてくる長谷部。
「そーいうこと。それに、こんな腰抜けに加勢されても、こっちが困るだけだ」
「あんだと!? 今何つった!?」
「腰抜けじゃ不満か? じゃあ、足手まといだな」
「ああ!?」
「やるか!?」
胸倉をつかみ合う両者。いつものように。状況をわきまえずに。ただし、右手のふさがったまさるは左手のみだが。
「…………いや、じゅーぶん友達だと思うな。おにーさんは」
こっそり3号がつぶやく。現状を一番よく見抜いているのは、あるいは彼かもしれなかった。
「ほぉ、そうかそうか。じゃあ黙っててもらおうか、坊や?」
「ああっ!?」
いきなり2号に挑発され、激昂する長谷部。しかし、まさるが止めた。
「やめとけ、長谷部。こんな連中、マトモに相手してもめんどくせぇ目に遭うだけだ」
あえてこの言葉を補足するなら。「自分が」面倒くさい目に遭うのではなく。「周りの人間が」面倒くさい目に遭う――すなわち、迷惑をかけるということだ。
これ以上、心配をさせるわけにはいかない。両親にも。先生にも。友達にも。そして……
「じゃあ、どーしろってんだよ」
「俺に考えがある。その替わり」
と言ってまさるは、至極当然のことをした。ごくごく自然に。当たり前のことのように。何も意識せずに。
「それ預かってろ。落としたら本気で殴るぞ」
トランペットだった。
「……………………おぉ」
長谷部は何も知らない。と、思われる。少なくとも、事情を知っていると判断できる言動は、長谷部は見せていない。
だから、長谷部も当然のように受け取った。何も知らずに。彼のたからもの≠。
「何をごちゃごちゃと――」
木刀を構え、1号が突っ込んできた。対するまさるは無防備。彼が一番、その力を発揮できる状態。
「ったく、ホントめんどくせぇ……」
左手をゆっくりと持ち上げて――
「なっっ!!!!」
振り下ろされた木刀を受け止めた。片手で。
目を丸くする1号。そして2号も動きを止める。3号は最初っから止まってる。
一方、長谷部は平然としていた。むしろ、「またかよ」という視線すら送っている。
そしてまさるは、拳に力を込める。
しかし、込めるのは前の時のように、右手ではなく――
「感謝するぜ岡島――早速、役に立った!」
木刀を握る左手に、力を込めて。
その木刀を折った。
『……………………』
今度はさすがに、長谷部も絶句していた。1号以下は言うまでもない。
最後に、まさるは言う。折った木刀の切っ先を突きつけて。
「…………で?」
やっぱり、面倒くさそうに。
しかし、その奥にある気迫に圧され、正気に戻った1号2号、と3号は。
「…………くっ! 負けた!」
「一生忘れんぞ……この借りは返す、必ず!」
「……じゃ、また何かありましたら〜」
実に潔く撤退していった。勇退とも言えるかもしれない。果てなき情けなさは否めないが。
「…………何だったんだ?」
「さぁな」
長谷部の問いに、まさるは心から首を傾げた。
「つーかお前、折るなよ。片手で」
「ああ? 何言ってんだ。おもちゃだぜ、これ」
まだ握り締めていた木刀――否、昔ながらの土産物屋でよく売っているようなポン刀の切れ端を見せて、まさるが言う。
「…………何だって?」
「俺も最初は気づかなかったけどな。ま、それでも殴られれば傷がつくし」
無論、トランペットが、である。
「……………………本気で要らなかったみてぇだな。俺」
「そうだな」
「おい待てコラ」
「はっ、冗談だよ」
そう、彼なりに礼を済ませた後(言ってないけど)、続けた。
「で…いいぞお前ら。もう出てきて――」
「It’s Wonderful!! 矢田クン、凄ぉい!」
だが、言葉を言い終わる前に、ももこが飛び出してきた。こらえきれなかったらしい。
「この前本で読んだ、カミヤカッシンリュウドウジョウシハンダイの、シラハドリセンボンセイハのミョウジンヤヒコみたい――」
「あーあー、わかったってばももちゃん」
また持ってた竹刀を振り回しながら――よっぽどこっちのほうが危ない――叫ぶ、興奮しきったももこ。それを必死で止めるどれみ。
「……やっぱ、気づかれてたみたいやな。あたしらのこと」
「どーせ、いつものことだろ」
「結局、私たちの出る幕じゃなかったってことね」
「…………みてぇだな」
あいこ、おんぷの指摘に、まさると長谷部が首肯する。
そして最後は、もちろんこの人。
「まさるくん…………」
彼女が出てこなきゃ始まらない。はづきである。
「ケガとかしてない?」
「見りゃわかるだろ。そんなヘマしねぇよ」
「でも、それ割れちゃってるし……」
「わかってるよ。危ないってんだろ。あとで割れたほうをガムテープでぐるぐる巻きにでもして捨てておく……から……」
ちなみに、地面に落ちてるもう一つのほうも、同様の処置をする予定である。
そんなフォローはともかくとして。
答えながら、まさるは後づさりしていた。
「でも…………」
こうなりそうな気がしてたからだ。すなわち、目に涙をためながら、自分を見据えられるってことが。
彼女のこれには、どんなケンカ相手より苦手だ。
が、その後彼女が口にした言葉は、まさるにとっても少々意外なものだった。
「私、まさるくんのこと……ううん、まさるくんと長谷部くんのこと、誤解してたみたい」
「は?」
「それ……」
と、指差す。長谷部が持つトランペットを。彼のたからもの≠。
「あ…………」
途端、まさるが口をぽかんと開けた。気づいたのだ。その意味に、やっと。
今さらになって気恥しくなる。
「……いわゆる男同士の友情って奴やな。カッコエエなぁ」
「麦わら≠セよね。麦わら=v
あいこ、どれみが茶化し出す。後者はご存知でないかたには意味不明だが。
とりあえず黙殺しながら、まさるははづきの言葉に耳を傾ける。
「私、ケンカとかしたことないから……2人が本当の友達なんだってわからなくって、余計なことしちゃって……ごめんなさい」
「いや、本気でそーいうんじゃないんだけブッ」
「要らんこと言わんでええ」
正確に訂正しようとした長谷部の口を、無理やりふさぐあいこ。
そして、まさるは。
「うーん……さっぱりわかんねぇんだけど」
まぁ、そう珍しくないことだ。この幼なじみには。
だが、指摘すべきことはわかる。
「ケンカしたことない、ってのはウソだろ?」
「え?」
「結構してんじゃねぇか。こいつらとさ」
といって、まさるは周りを見廻した。具体的には、どれみ。あいこ。おんぷ。ももこ。
彼女の、大親友≠スち。
「だから、今、ここに集まってんだろ?」
そう最後に付け加えて、まさるは笑った。
不器用に。
はづきのよく知っている、彼の最高の顔だった。
そして思い出すは、この前言われた、ゆき先生の言葉。
『ケンカって……別に殴り合ったりとか、そういうことだけじゃないのよ。まぁ逆に、今の子供たちはそういう経験がないから、いざそういうケンカを始めちゃうと、手加減の仕方がわからなくて大怪我しちゃう、ってこともあるらしいけどね。でもあの2人に、そういうことはなさそうでしょ?』
『それに、口ゲンカなんかはそうだけど……相手の嫌いなところ、悪いところを言い合って、初めて見えてくるものもあるじゃない? 自分が直したほうがいいところ、とか。そういう面も、ケンカってあるのよ』
『はづきちゃんにだって、そういう経験あるでしょ?』
無論、ある。ハナちゃんの子育ての方法を巡って起こった、どれみとの衝突。これはごく最近、ももこともあった。正確にはケンカ≠ニは呼べないかもしれないが、結果ももこに"ママ"の意味を知ってもらえた。
そして、転校したてのあいこ、おんぷ、ももこへの誤解。それから生じた軋轢。それも、今は過去のものである。
他にも色々あったはずだ。それこそ、どれみとぽっぷのように。
だからこそ自分たちは、今、大親友≠ナいられるのだ。
そして――それは、まさると長谷部にとっても同じことだったのだ。
その手段こそ違えど、本質的には、自分たちと何も変わっていないのだということ――
ゆき先生に言われた時はわからなかったことが、今の2人の姿を見て、はづきは初めて理解できた。
「……ごめんなさい」
だから、はづきは再び謝った。無論、それはまさるだけにではない。
「おいおい…………」
頭を抱えるまさる。また、はづきが瞳をうるませているからだ。
が、それは、悲しいからではない。
そこにはたくさんの喜びと、嬉しさがあふれていた。
それに気づいていたからこそ、まさるは再び、不器用な笑みを浮かべたのだ。
(ありがとう、関先生、ゆき先生、みんな……)
(ありがとう、まさるくん……)
その日のどれみの夢。
まさる(as ゾロ)「動じるな!! 呪いの森に入れば先々代の女王の思うツボだぞ!!! 小竹を助ける方法は一つだ………!!」
長谷部(as サンジ)「コイツらをここで秒殺して森に入るのか。上等だぜ」
まさる「やるぞ!!!」
長谷部「オゥ!!!」
……まぁ、こんな感じ。
「やんのか、てめェっ!!!」
「オォ、たたき潰してやるっ!!!」
休み時間。胸倉をつかみ合い、威嚇しあう両者。ケンカの始まり。
比較的、珍しいことではあった――この美空町では。世間を賑わす少年事件とは以下同文。
「……ひょっとして、まさかもう、『ONE PIECE』が原因ってことはないよね?」
どれみの問いに、小竹はもはや呆れるのにも飽きたといったような表情をして、答えてやった。
「なぁどれみ……お前、ドリーとブロギー、どっち派だ?」
「もう……いいッス」
「ホーッホッホッホッ、今度は巨人編とは芸のないかたたちですわね、ホーッホッホ――」
「いや玉木、なんでそこまで詳しく知ってんのさ」
「ホッホッ……ホ!?」
どれみに失言を指摘され、麗香(会長)の高笑いが固まった。
「ガトツゼロシキ〜!! アク・ソク・ザ〜ン!!」
で、やはり割って入るももこ。今度は竹刀を水平に構えた刺突術である。
「イヌはエサでカエル、ヒトはカネでカエル、だがミブのオオカミをカウコトはナンビトにもデキ〜ん!」
「意味わかって言ってるんですの、あなたは!?」
今回ツッコんだのは麗香(会長)だった。やはり両肩をつかんで引きずっていく。どれみと小竹の視線から逃れるように。だがそのツッコミ自体、自分はその元ネタを知ってるんだという意味合いがあるとも取れなくはない。
ふぅ、とどれみがため息をつき……
(…………?)
否、つこうとして、不意に目に入ってきたものがあった。
また『るろうに剣心』ネタの――と思われる――セリフをはきながら、麗香(会長)に引きずられていく、ももこの顔。屈託なく笑い続ける、その笑顔。
その左耳に光る――小さなピアス。
彼女の――たからもの=B
(…………そっか。そうだよね)
ももこは――ひょっとして、全てを知っていたのかもしれない。
矢田にとってのトランペットのように……
それこそ、『ONE PIECE』の主人公麦わらのルフィ≠フ、宝物≠スる麦わら帽子のように…
彼女にも、常に生活を共にしている、大切なたからもの≠ェあったのだ。
……そんな光景を、廊下から苦笑しながら見ている、となりのクラスのあいこ、おんぷ。
「よぅ飽きんな〜、2人とも」
「ホントよね」
「ところでおんぷちゃん、ちぃとばかし聞きたいことあんねんけど」
「何?」
「昨日の長谷部くん、やけにタイミングよぅ現れたやんか」
「そうね」
「あれ、誰かさんが魔法で長谷部くんの靴かなんかを操って、連れてきたんとちゃうんかな〜、って」
「……何のこと?」
はぐらかすおんぷ。やはり不敵な微笑をもって。しかし、あいこにはそれだけで全てが知れた。
「ま、ええけどね」
視線をそらす。と、そこには歩いているはづきがいた。ただし、ゆっくりと。
「もう止めないんだ、はづきちゃん」
「うん」
おんぷの呼びかけに、たどり着いたはづきは答える。微笑んで。そのはづきの行動に、首を傾げたのは元4年1組の面々だった。一方4年2組の面々の一部は、その後ろに潜む何か恐ろしいものに警戒していた。
「だって、もうわかってるから、大丈夫」
そして、はづきはもう一言。
「2人とも、仲良くケンカしてね♪」
『どーやってだ』
まさると長谷部のツッコミがハモった。
今日もおおむね、美空町は平和である。
・エンディング:「RUN! RUN! RUN! / 大槻真希」(『ONE PIECE』2ndEDテーマ)
・おまけ
1号「……と、いうことだ」
2号「ケンカでは勝てないことを悟り、俺たち3人のコントによって、お前の仏頂面を笑わせることでリベンジを果たそうと考えたわけだ!」
3号「だから物騒なことは、もうやめましょうね。お互いに。いやマジで」
まさる「帰れ。お前ら」
人は善なり。と、人は言う。
この文章は、2001年10月に、『どれみっち研究所』さんの投稿小説コーナー「おジャ魔女SS」内の、「おジャ魔女どれみ外伝」に投稿させていただいたもの…を、加筆修正したものです。
…いや、他の再録でも若干訂正はしたのですが、今回は少々、分量が大目でして。
まず、アバンタイトルのどれみの夢。発表時には明確に元ネタを提示しなかったので、わかりにくいという真っ当なご指摘を受けまして…そのあたりの描写を書き加えました。
ももこの『るろうに剣心』についても同様です。
ちなみに小太刀二刀流《回天剣舞六連》の使い手は、元江戸御庭番集お頭の四乃森蒼紫[しのもりあおし]。彼の使う御庭番式小太刀二刀流の奥義が、これです。逆手に持った二刀の小太刀から放たれる、左右二択・一瞬六斬の連続斬撃です。
飛天御剣流奥義《天翔龍閃》[あまかけるりゅうのひらめき]は、ご存知主人公・緋村剣心の使う、神速を超える超神速の抜刀術。読んで字のごとく、「奥義」です。
神谷活心流道場師範代・白刃取り千本制覇の明神弥彦。『剣心』の最後の最後で登場した「4年後の弥彦」が、彼です。変わりすぎです(笑)。
《牙突・零式》。元新撰組三番隊組長の斎藤一[さいとうはじめ]の技です。新撰組副長・土方歳三[ひじかたとしぞう]の考案した平刺突[ひらづき]を極限にまで高めたのが《牙突》なのですが、これを零距離で放つのが《零式》です。いや〜渋いですね斎藤(←私情を挟むな!)
…以上、参考文献・『剣心華伝 全史るろうに剣心――明治剣客浪漫譚――』(集英社、1999年)でお送りしました(爆)。
あと…決定的に変わったのが、「ももこのピアス」に触れるところ。投稿してから気づいたんですよね…"たからもの"と言えば彼女でした。こうやってちょっと加えただけでも、この話におけるももこの印象が変わると思ったのですが、いかがでしょうか。
あとはOPとEDの曲指定(笑)を加えました。どちらも大好きな曲です。特に「RUN! RUN! RUN!」は、ワンピ主題歌の中では一番好きな曲です。今でも。
映像ではルフィたち5人の幼少のみぎりVer.が走るとイカした演出がされまして、そっちも好きです。
是非どれみたち5人の幼稚園時代Ver.を、この曲に乗せて走らせたいものです(笑)。
そして…1号、2号、3号。
彼らは、『無印』17話の矢田初登場話(および矢田はづ伝説の始まり話)の冒頭にあった、「中学生ボコボコ事件」(はづき談)から、筆者が勝手に作り上げたキャラです。原作には一切登場しません。
「3人はいた」という劇中の発言から、勝手に3人と決めたのですが、本来は正確な人数すらわかっていません…
はっきりしている情報は、「トランペットを蹴った」ことと、「矢田にボコボコにされた」こと。そこから膨らましてみました。
よって、それ以外の設定(性格づけ等)は、勝手に筆者が作ったものですので念のため。
本作の時間設定は、『も〜っと!』35話前後(岡島道場の話〜玉木会長誕生話の辺り。かよこが保健室登校を始める前)の設定なので、あれから2年。
無印当時中学1年で、今3年としてみました。
何せ、どう考えても小3が中学生をボコボコにできるはずがないですので、限界まで年齢は落とそうと。
…だから、矢田の最強伝説が始まったのです(笑)。
ま、この事件を報じた島倉かおりの誇張も加わっているのでしょうが…
原作での設定が少なくとも、れっきとした原作のキャラである彼らを、無理やり出してしまったのは少々抵抗感があったのですが…
なお、性格のモデルは最初はあったのですが、どんどんカケ離れていったので意味ないです(笑)。
描いたきっかけは、ズバリ『も〜っと!』33話「天下無敵!? おジャ魔な助太刀」を見たことです。
ももこのエセ外人キャラ(笑)が完全確立し、おまけに岡島小太郎が多くのももこファンを敵に回し(爆笑)、といった名作でした。
さらには長谷部の再登場話でもあり、矢田VS長谷部の対立構造が認知されだした話であり。
そして久々に矢田が出たのに矢田×はづきじゃなかった話でもあり、でもって『も〜っと!』での矢田最後の出番となった話でもあり(笑)。
…てなわけで、これらの要素を全て放り込んでみました(笑)。
そして『笑犬』ネタの2作に続いて、筆者が初めて書いたマトモなSS(よって、どれみも何もかもが初書きでした)、なのですが…
何故に『ONE PIECE』がでしゃばるのか(苦笑)。
冒頭からして、現在の筆者が運営するこのHPの伏線が見て取れそうですな…
とりあえず、いつの日か『ワンピVSどれみ』はやってみようと思ってます(どーん)。
公開日:2002年08月17日
第一次修正:2002年09月23日
第二次修正:2002年10月14日
第三次修正:2003年10月日