魔術士オーフェン VS おジャ魔女どれみ# 我が慟哭癒せ魔女
別に俺が自分を不幸だと思ったことはない……はずだ……と思う。多分。
そりゃあ確かに知り合いには恵まれねえし、現に今だってクリーオウの水浴びを手違いで目撃して、魔女界とかいうヘンな世界にフッ飛ばされたばかりだ……うう、どうあがいても幸せの二文字が出て来ねえ。
だが、これだけは言える。両親の庇護を受け、食事にもありつけて、何より帰る場所のあるガキに、自分を「不幸だ」とか言う資格はないってことだ。
そう、オマエのことだお団子頭! この俺を差し置いて、「世界一不幸な美少女」を名乗るたぁいい度胸じゃねえか。お前がどんな人生を送ったかは知らねえが、人生を棒に振って振って振りまくった俺が、本当の「不幸」って奴をたっぷりと味あわせてやるぜ!
主人公以外は至って幸せなどれみ的寓話世界に、夢も希望もありゃしないオーフェン的無謀ファンタジーが殴り込みをかけた!ステーキにありつけないおジャ魔女か、それともマトモな食事にもありつけない落ちぶれ魔術士か……
今、真の世界一不幸≠ネ主人公が決定する!!
ドキドキワクワク・光の白刃!!
要するに、『魔術士オーフェン』原作を刊行する「富士見ファンタジア文庫」の、カバーにくっついてる本の紹介文をイメージしました。
オーフェンに限って言えば、いつもこんな感じです(笑)。
これはちょっと長めになっちゃいましたが。
この文章を書いたのは、2002年5月3日。ゴールデンウィーク初日のこと。とあるイベントに出没した筆者は、そこで生まれて初めて「ネットで知り合ってから、顔を合わせる」という非常に貴重な体験をしました。
具体的には、keyzooさんが運営されている『どれみっち研究所』さんの掲示板等で、言葉を交わした皆様です。
いやはや、非常に優しくしていただいて…イベント後の二次会でも楽しい思い出ができました。何度言っても足りません。ありがとうございました。
んで。その二次会で。
酔いに任せて。その場の思いつきで。
やはり『どれみっち研究所』さんで知り合った、『夢の都』管理人・ちたせいさんに書いたのが、上の文章…の初稿(笑)です。
しかも…飲み屋のティッシュに(死)。
しかし、どれみファンでありオーフェン読者でもいらっしゃるちたせいさんは非常に喜んでくれまして…
やがてその「初稿」を、ご自身のホームページ『夢の都』に掲載してくれました。
筆者は失神しました(笑)。
いやまさか、このような形で自分の書きなぐった文章に再会するとは…
ですが、公開してもらえたからには…「書きたい」。
そう思い、筆者はこのHPの立ち上げを決心したのです。この「本編」を、何としてでも発表するために。
てなわけで。これは当HP開設の起爆剤となった文章だったのです。だから何なんだという話ですが。
ともあれちたせいさん、ありがとうございました。
それでは皆さん。
オーフェン「なんだかやたらと不幸を感じるぞ! お前らだ、不幸の原因は! なにかっちゃ俺に面倒かけやがって! もーちょっとこー、通り雨のように、なんも残さず通り過ぎることができんのか!?」
どれみ「あたしの名前は春風どれみ! 両親は毎日夫婦ゲンカばっかりだし、妹は幼稚園児のクセに超が三つつくくらいナマイキだし…私って世界一不幸な美少女です…」
オーフェン「そーだ、決めたぞ! 俺はもう、変なやっかいごとには首を突っ込まないことにするからな! お前らの尻拭いも含めてだ! てなわけで俺は今から、黒魔術士でもなければモグリの金貸しでもない! 人生ボードにトラブルのピンが突き刺さることも何もない、ごく平凡な一般市民になる!」
どれみ「でも、今日こそ世界で一番幸せな美少女になってみせるんだから!!」
オーフェン「うるせえっ! えいくそ、近づくな! なんかトラブルを期待するよーな目で見るな、畜生!」
(以上、『魔術士オーフェンはぐれ旅 我が夢に沈め楽園(上)』、および『おジャ魔女どれみ』第1話「私どれみ! 魔女見習いになる!」より)
という、奇妙な運命の巡り合わせの中で生きる二人の、これまた奇妙な運命の巡り合わせが起こした邂逅。
初挑戦の大長編(爆笑)ですが、お時間の余裕のある時に、ごゆるりとお楽しみ下さい。
……更新は凄まじく遅くなりそうだけど。切腹。ぐふっ
公開日:2002年06月16日
第一次修正:2002年09月23日
第二次修正:2003年07月08日