またあの日が近づいた、明日で23年目の桜の時を迎える 今も貴方のことを思い出すよ、そう…まるで贖罪の様に… |
カ……リ…カ…ョリカ マジョリカ!、マジョリカ!! どれみ)ねぇマジョリカ! リカ)な、何じゃイキナリ どれみ)さっきから何回も呼んでるよ! 突如不出来な弟子に呼ばれ、思考の迷宮から脱するリカ はづき)さっきから黙り込んでどうしたの? あいこ)あらかた今月の予算達成の計算でもしてたんとちゃうか? ももこ)Oh! トラヌタヌキノカワザンヨね おんぷ)ももちゃん変にことわざに詳しいわね ハナ)ねぇたぬきって、ポンポコお腹を叩くたぬき? おのおの言いたいことを述べ、小気味良い騒がしさがMAHO堂を 包む。そんな中、何時もの様に一喝する師匠 リカ)こりゃぁーー! 騒いどらんで手を動かさんかぁ手を! どれみ)むぅなにその言い草、ぼんやりしてるから気になって話しかけたのに 返事もしないしさ! チョットくらい優しい弟子の心使いってやつをね… リカ)何が心遣いじゃー! どうせ作業をサボるための口実じゃろう、口を動かす 前に仕事を続けんかぁ! どれみ)ムッカー! 何だよ、怒鳴り散らしちゃって! 心配してあげたって言うのにさ リカ)余計なお世話じゃ! 第一おジャ魔女どもに心配されるほど落ちぶれてはいないわい! あいこ)どないしたん? 今日は何時もよりキッツイな 普段と違う雰囲気の彼女に気がつくあいこ リカ)どうもせんわい! ワシはいつも通りじゃ! ふん 厚かましくて我侭だから”子供は嫌い”なんじゃ!! ハナ)マジョリカ… リカ)わ、ワシはもう寝る! いいかサボるんじゃないぞ!! 自分でも嫌になる程のキツイ口調で言葉を吐きかけていることに 気付いたリカは、そんな自分に苛つきを感じながら寝室へと 逃げ込んでしまう。 扉越しに弟子たちの苦言を背中に受け、俯きながら深いため息を もらす彼女の思考は今から23年前のアノ日を映し出していた。 ------------------------------------------------------------------------------ 23年前の秋の頃、マキハタヤマリカの魔法堂でおきた数日間の出来事。 物語と呼ぶには余りに短く、そして… 少年)『”悪い”が無くなるオマジナイ、ください』 少女)『何でもひとつだけ願いがかなうんでしょ?』 ------------------------------------------------------------------------------ リカ)忘れられんよ、今でも…… 続く |
公開日:2002年07月21日
第一次修正:2002年08月09日