まずは、あるTV誌に感謝の意を捧げようと思います。
『ザ・テレビジョン』さん!! 11月23日号で、半ページも使ってこの回の特集をドッカ〜ン!
と組んでくれてありがとうございます!!
『TV Bros.』に愛想が尽きたら、そちらの定期購読に移らせていただきますので、どーぞよろしくお願いします(←読む気ないじゃねぇかよ)。
いきなりドアップで矢田が登場(どーん)。
もちろん、トランペットを吹いてるシーンです。ええ、あの『キラキラ星』です。当たり前のことですが。
「テレビを見る時は、部屋を明るくして画面に近づきすぎないようにしてください。」
もはや、どんなアニメでもお約束となったこの注意書き。…ごめんなさい無理です近づいてしまいます(←待たんか)。
そしてバイオリンを弾いているはづきがアップに。
今までなかったのが不思議なくらいの、このデュエット。だからこそ、これがファイナルだということをやけに思い知らされる…(涙)
TMさん「はーやーすぎーるとーきーのー、まばったきにーさらされてー」
(「INVOKE -インヴォーク- / T.M.Revolution」(『機動戦士ガンダムSEED』OPテーマ)より)
曲名違うだろ!!(苦笑)
TMさん「そこーにあるならー」(同上)
さて、この曲が矢田→はづきの曲に思える筆者は末期症状でしょうか(笑)。いやホント、TMさんの曲は矢田にマッチしてると勝手に思ってるんで(苦笑)。
それはともかく…ぢつは、『#』以外のOPでは全部レギュラーだった矢田です(笑)。あ、『無印』の後半Ver.は違うか…
《ガンダムダブルエックス》…もとい、『ダウンタウンDX』…じゃなくて、「ジュエルドロップ メイクアップスタイルボックスDX」というCMがあったのですが。
ナレーション「星のジュエル、もっと輝け! もっときれいに、もーっと輝きたい女の子! 星のアクセサリーがあなたを応援!」
…コメットさんでしょうか(←お前見てないだろぉが。しかも龍騎も)。その割に、『も〜っと!』って言ってますがね(笑)。
何で唐突に、このCMを紹介しているかというと…
そのBGMが『キラキラ星』だったからです(爆笑)。
便乗したいなら、話が終わった直後のほうがよかったと思うのですがいかがでしょうか(←違うだろ!?)。
いつもの通学路、あの無意味に長く無意味に急斜面になってる坂道で、幕は開ける。
麗香様「皆様ごきげんよう!」
ももこ「あ、玉木さんおはよう!」
最初が麗香様(元・児童会長。次の週の43話では主役を張る)から始まるとは思いませんでしたよ(笑)。
どれみ「ねぇねぇ玉木、昨日の『バトルレンジャーV』の話してたんだけど、見た?」
どれみ、成長皆無(爆笑)。
麗香様「ば、ばとるれんじゃーぶぃ? もう、いつまでもお子ちゃまみたいなこと言ってますのね!」
どれみ、ハナ『お子ちゃまで悪かったね、ぷっぷのぷー』
麗香様「チッチッチッ、来年は中学生だっていうのに…」
いや、あのね。ハナはともかく、どれみ。お前40話のあれはなんだったんだよ!?(爆笑)
んで、ここで「ぷっぷのぷー」と合唱したのが、どれみとハナだけだったというのがポイント、な気がします。
画面に映っていない、はづき、あいおんあいこ、おんあいおんぷ、ももこ。もちろんはづきはわかっていることですが、おそらく他の3人も進路について悩んでいてバトルレンジャーVどころの話ではなかったんじゃあ、と思わず類推してしまうんですよね。
別にこの微妙な時期でなければ、「あーこいつらはいつまでも…」で済むのですが、何せ卒業直前という時期なので。
もう一度言います。どれみ。あの40話での悩みっぷりはなんだったんだよ!?(爆笑)
まぁ防衛機制・現実逃避的に、無意識下でバトルレンジャーVに没頭しているという解釈もアリなのですが。ハナに限ってはそんなこと絶対ないでしょうけど(笑)。
さて、ここで麗香様が、今後の彼女の人生を左右する重大な問いかけを行います。
麗香様「ああそうですわ、飛鳥さんはどこの中学校に行きますの? カレン女学院?」
…間違いなく、こっそり心臓バクバクで尋ねてます。きっと。
そして何の前フリもなく、「カレン女学院」の名を出す麗香様。一緒に行きたいんですね(笑)。
ももこの答えは、あっさりとしたものだった。「カレン女学院」の単語を聞いたからかどうかはわからないが、苦笑いしているはづきの横で、一言。
ももこ「ううん、美空中だけど」
つうこんのいちげき!!
れいかは9999のダメージをうけた!!
れいかは(色んな意味で)しんでしまった!!
れいかはぜんめつした
テレレーレーレー、テレレーレーレー(←BGM。『エレジー』/DQ4のアッテムトとかでかかってるレクイエムの曲)
*「みびちかれしものよ、おまえはまだしんでは(以下略)」
…というか、もうほとんど忘れてます、DQ4(泣)
圧縮された時の中で悲しみを押し込めた麗香様は、顔で笑って心で泣いて(笑)、いつものように話しだします。
麗香様「まあぁ、そうなんですの?(号泣) 残念ですけど、まぁ学校が違っていても、わたくしたちは親友ですから!(滝涙)」
一部本編にはない表現がありますが、彼女の心情を的確に表してみただけの話です(笑)。
ももこ「そ、そうだね…」
両手をとって呼びかける麗香様に、目を点にして汗を浮かべるももこ。
んで。
周りの反応なんですが、「まあぁ、そうなんですの?」のところで、ハナが人差し指をあごにつけて目を閉じ、あいこも眉毛をたらして目を閉じてます。しかも声付きで。呆れてるのか、それとも。
…ハナはどうだか知りませんが、あいこ、ひょっとして麗香様の内心を察してる?(笑)
麗香様「ということは、この中でカレン女学院に行くのは藤原さんだけ、ってことなのかしら?」
どれみ「玉木!! 何言ってんだよ、はづきちゃんはあたしたちと一緒に、美空中に決まってるんだから!」
「決まってるんだから」、です。
どれみ「ね、はづきちゃん!」
はづき「え、ええ……」
浮かない顔で答えるはづき。
…このあたりのどれみの思い込みが、後半のどれみの自省に繋がっていくのかもしれません。
麗香様「あら、そうでしたの…」
しかし、自分の名声とももこのことしか頭にない麗香様は、そうとも知らず脳内で。
麗香様(ラッキー! お受験のライバルが一人減りましたわ!)
ポンポン持って、チアリーダーの格好して想い人ももことの近づく別れを前に激しく落ち込む踊る麗香様。そう、涙を拭いて…(←いい加減にしろ!)
これで、本日の麗香様の出番は終了。次週43話、『1級試験! 玉木絶体絶命!!』に期待しましょう。
・タイトルコール
キラ・ヤマト(『ガンダムSEED』主人公)「偽りの平和」(←それも違う!!)
って、『SEED』にタイトルコールはないのですがね(笑)。
場面は変わって、6-2教室前廊下。
さて、メインは置いといて、廊下で垣間見れる人間関係チェックから入ります。
そして本題。
あいおんあいこ「さっき、はづきちゃん美空中に進学する言うてたけど、お母さんと話したん?」
はづき「それが…ママのお仕事が忙しくなっちゃって、まだじっくり話してないの…」
おんあいおんぷ「え…そうだったの…?」
「仕事が忙しいから」と、必要以上に自分以外を優先する彼女。この辺は、まだ変わってはいない。
姿勢を正して、おんぷが諭した。
おんぷ「はづきちゃん、進路は大事なことよ。ちゃんと話し合いをしたほうがいいと思うわ」
はづき「ありがとう、今日話してみるわ」
「そのうち」とか「近いうち」とかじゃなくて、「今日」。おんぷの言いたいことがちゃんとわかったようです。
何せ、おんぷが言うと説得力が違います。何故なら、彼女もプロだから。仕事の大事さは、主人公勢の中で誰よりもわかっているから。
その彼女が「ちゃんと話し合いをしたほうがいい」と言うのですから、はづきとて聞かないわけにはいきますまい。
チャイムが鳴り、教室に戻る3人。
西沢先生「みんなー、席についてちょうだい。授業の前にプリントを配りますから回してください。はい!」
あいこ「抜き打ちテストかぁ?」
はづき「さぁ…」
あの…
ちょっと前まで続けていた学生生活の、計17年間の中で、筆者は一度たりとも「抜き打ちテスト」を受けた覚えがないのですが…?
実際、どうなんでしょうね。行われてるもんなんでしょうか。
はづき「…はい、あいちゃん」
あいこ「なぁんや、進路調査やん」
西沢先生「美空中学校へ進む人も、それ以外の人も、金曜日までに提出してくださいね!」
6-2児童一同『はーい!』
西沢先生の後ろからのアングルで、児童一同が映る。ぱっと見で表情をチェックしてみると。
何気に、おんぷが芸能人としては致命的すぎるミスを犯しています(笑)。
そして「はーい!」の時に、きちんと手を上げて返事しているのが、和田みんと、梅野ゆかり、中田ごうじ、万田ようこ。もっとも正面から見て左側の席しか確認できませんが。
にしても、梅野ゆかりはめちゃめちゃ満面の笑みです。…ああ、家業を継ぐんですね?(笑) 銭湯も古きよき日本の伝統の一つ。そして"職人芸"の一つであることは、本年の父の日エピソードで語られた通り。是非守っていってほしいものです。
「職人魂を今に蘇らせよ! 日本を再び『手仕事の国』たらしめよ! そしてその気高き倫理観を復活させよ!」
(「わしズム vol.3」(幻冬舎、2002年)、八木秀次『平均的日本人 職人――偉大なる日本人の原形』より)
…いきなり何を引用してるんだ、筆者(笑)。今回の話とは全く関係ないのに(苦笑)。
んで。
スローで流してみたら気づきました。まず松下あや。何故か髪が真っ黒です(本来は茶色)。そのほうがお寿司屋さんらしいから染めたんでしょうか(←ンなことあるか)。
でもって目を疑ったのが、11/20にリリースされたクラスメートアルバム『2組盤』にて、ジャケットに木村(と、天野こうた)がいないことに気づかぬまま伊集院さんとトップを張って、持ち歌「フラワーベッド」で想い人のことを唄いながらラストスパートをかけている小泉まりな(でも本編での出番なし)。びみょ〜〜〜に髪が茶色くなってます!! う、嘘だっ、そんな馬鹿なことがあってたまるかぁっ(笑)。まぁ黒髪といっても、光の当たりかたでそう見える時もあるので、気にしないでおきましょう。なぁ木村(笑)。
さて。"運命のゴング"を鳴らしたのは、そうとは知らない西沢先生(自称・オトメ、まだまだ青春)だった。
西沢先生「…それと、伊集院さんと藤原さんは、カレン女学院の受験案内が届いているから、あとで職員室に取りに来てね!」
たった1話の出番で、はづきが4年間かけて解決しようとしているメインテーマをクリアしてしまった伊集院さんは笑顔。きっと自分で望んで、カレン女学院への進学を決めたのでしょう。
翻ってはづきは、もう沈んだ顔。後ろの席のあいこも心配そうです。
はづき「先生、私カレン女学院は受験しませんけど…」
振り返る木村(口元がヘン)、伊集院さん(きょとんとしてる)、SOS太田(口開けてる)、梅野ゆかり(何で笑ってるんだよ!!(笑))。アングルでわかったのはこの4人だけでしたが、きっと6-2のほぼ全員が、はづきの発言に注目したのではなかろうかと。
きっと誰もが、伊集院さんとはづきならカレン女学院で当然、と思ってたんでしょうね。
だから西沢先生も聞き返す。笑顔で。
西沢先生「え、どういうこと? この間の保護者懇談会の時、お母様はカレン女学院を受験するから、よろしくっておっしゃってたわよ?」
呆然とするはづき、おんぷもかなり苦い顔。クソ当たり前(by サンジくん/『ONE PIECE』)です。
何で親の希望する自分の進路を、親以外の人間から聞かされなきゃならないんでしょうか。
最悪のケースだと思われます。
さすがに彼女の表情を見て、様子が変なことに気づいたのか、西沢先生の笑みも苦笑いに変わっていました。
これまた激当たり前(by 悟浄さん/『最遊記』)のことですが、はづきは立ち上がって叫びます。
はづき「そんな!!」
ここで一瞬、西沢先生が目を潤ませる映像が入ってくる。
はづき「そんな勝手なこと言ったんですか!?」
西沢先生「え、ええ…とにかく、よくご両親と話し合ってくださいね。じゃあ、教科書の82ページを開いて!」
ちょっと危なかったですが、冷静に対応できてます。西沢先生。彼女も成長してます。
そう、はづき母よりはるかに(フォローなし)。
あいこ、おんぷ『はづきちゃん…』
2人の声を背に、おとなしく席に着くはづき。
そして進路案内のプリントの端を、固く握り締める…
はづき(ひどい…ひどいわ…)
そんな様子に、見つめ合うあいことおんぷ。
場面転換。MAHO堂にて。
作業中のどれみ、あいこ、おんぷ、ももこ。
飛んできたマジョリカとララが、足りないメンバーに気づく。
ララ「あら? はづきちゃんは?」
あいこ「今日は休みや」
マジョリカ「風邪でもひいたのか?」
おんぷ「そうじゃなくて、進路のことでお母さんと話し合うんだって」
…ハナがいないことは疑問に思わないらしいです(笑)。
マジョリカ「お前たちと同じ中学に進むんじゃないのか…」
ももこ「はづきちゃんはそのつもりなんだけど、お母さんはカレン女学院に入れたいみたい」
ララ「へぇー、それは大変ね…」
んで、おんぷの一言。
おんぷ「でも、こればかりは、私たちがとやかく言う問題じゃないし…」
あいこ「はづきちゃんが決めるしかないしな」
あいこも追随する。が、どれみは。
どれみ「ちょっとみんな冷たくない? はづきちゃんと中学別々になってもいいの?」
ももこ「それは…、嫌だけど。ねぇ?」
あいこ「うん…おんぷちゃんは?」
おんぷ「私も……」
その言葉に、3人は多くを語ってません。けど、表情が語っています。
一緒の中学に行けないのは嫌だけど、それをはづきが「自分の意志で」選択したのなら、それを受け入れなければならないのだ、と。
どれみ「だったらはづきちゃんに協力してあげようよ! なぁあ、何か心配になってきた!」
どれみも、それに気づかない人間ではないと思うのですが…
ビーズアクセサリーメーカーをガチャガチャ回す行動から見ても、平静さを失ってますね。…というか、ビーズアクセサリーメーカーって、こんな演出にしか使われないんでしょうか(苦笑)。子どもが真似して、せっかく買ってもらった玩具を壊さなきゃいいのですが。
…そして、本っっ当に何にも考えてない奴が登場します(笑)。
ハナ「ねぇね、ハナちゃんが行く中学は、美空中って書けばいいの?」
まだ人間界に居座る気です(←そんなこと言うなよ!?)。
笑顔です。自分の思い描く未来の通りにこの先も進んでいくことを、カケラも疑っていない表情です。
自分が持ってるプリントが意味することを、全くわかっていません。これほど"卒業"というテーマから逸脱したキャラも珍しいです(笑)。
どれみ「ハナちゃん! ちょうどいいところに来てくれた!」
ハナ「ふぇ?」
どれみ「あたしははづきちゃん家に行ってくるから、あと頼むね!」
ハナ「え?」
パオ「パオ?」
「ちょうどいいところに来てくれた」って…おい。いつもは手伝わせてないんでしょうか(苦笑)。
ちなみにパオ、この一言が今回最初で最後の台詞です(爆笑)。
マッハでハナをつかまえて自分の席に座らせて、どれみ"お着替えシーン"が流れる。
どれみ「プリティー・ウィッチー・どれみッチー!」
この台詞、あと何回聞けるんでしょうか…(涙)。
どれみ「ピィリカピリララ、ポポリナペェペルト! 燕さんになれー!!」
…燕陣内[つばくろじんない]になるんでしょうか?(←誰もわかんねぇよ!!)
ももこならわかってくれるかもしれませんが。名作時代劇・『三匹が斬る!』(旧シリーズ)…
しっかし、ピンク色の燕。奇異に思われなきゃいいんですが。
さて。
ここで、今日のあいこ、おんぷ、ももこの出番は終わります。まぁハナもですが、それは置いといて(←ひでぇ…)。
彼女たち3人は、最後まではづきに語りかけることはありませんでした。
それは、先に述べた「自分の意志を尊重したい」という理由からのものもあるのでしょうが。
それ以外にもある気がするんです。
それは、自分たちも卒業の進路を悩んでいるから、なのではないでしょうか?
だからこそ、はづきに自分で決断させたい、と思えるのではないかと。
自分たちも、自分で決断しなければならないことだから。
卒業は、近いです。
一気に場面転換。飛んではづき家に到着した、つばどれ陣内(←もういいよ!!)。
くちばしでガラス戸を叩いて、はづきに存在を気づかせるどれみ。…何だ、無意味に魔法使ったんじゃないんですね。
はづき「どれみちゃん…」
迎えるはづきは、両手を握って胸元に当ててるポーズ。緊張してます。このポーズは、どれみが入ってきた後も続いています。
そして家主の断りもなく室内に入ったどれみ。もちろん魔法は解いている。
どれみ「はづきちゃん、どうなった?」
はづき「それが…ママが仕事の打ち合わせをしていてまだなの」
どれみ「そう…はづきちゃん、ビシッと言わなきゃダメだよ!」
はづき「ええ…」
どれみははづきの肩を抱き、笑って言います。しかしはづきは、まだ例のポーズを崩さぬまま。
どれみ「はづきちゃんとはソナチネ幼稚園から一緒だったし」
矢田もな。
どれみ「これからも、ず〜っと一緒だよ!」
はづき「ええ…」
矢田がな。(←勝手に決めんなよ!?)
さて、どれみ。はづきの両手を握りしめて「ずっと一緒」といった、その表情。
…思い起こすは、先日の40話。彼女はあの時、未来さんと一緒に日本を離れるかどうか迷っていました。
結局彼女が未来さんに会って、何を伝えようとしたのかはわかりませんでしたが…それを踏まえると。
やっぱり彼女も、来たるべく"卒業"を意識して、このちょっとだけ哀しげな表情をしていたのではないか、と思うのです。
"これからもずっと一緒"なんて、あり得るはずないんですから。
思い出されますね、本年の七夕の、ハナの願い。「ママとずっと一緒にいられますように」…
そして前述の『ザ・テレビジョン』さんの記事では、このシーンの絵が載っていました。ナイスです。
ここで、ドアをノックする音が。
ばあやさん「はづきお嬢様! おや、これはこれはどれみ様」
どれみ「ち、ちぃーっす…」
ばあやさん「いつの間においでに…?」
はづき「そんなことより…なぁに、ばあや?」
はづき、何気にナイスフォロー。
ばあやさん「あ、奥様の打ち合わせが、ただ今終わりました」
どれみ「はづきちゃん…!」
はづき「…うん!」
――それではぁぁぁっっっ!!!!
ドモン「ガンダムファイトォオォオォオ!!!!」
マスター「レディィィイイィィ!!!!」
ドモン「ゴォォォオオオッッッッーーーー!!」
…そんな気分だったんです(←バカだろお前…)
お気に召さなければ、こんなのもありますが。
五飛[ウーフェイ]「…現れたか。貴様を地球に行かすわけにはいかんっ!」
ヒイロ「これがお前の言う正義なのか?」
五飛「俺は犠牲の上に成り立つ『平和』という名の正義が、本当に正しいか確かめたいだけだっ! そのために俺は悪になるっ!」
ヒイロ「!」
五飛「人類は変わらなかった。倒すべき敵を倒しても、地球は何も変わらなかったんだっ!!」
ヒイロ「…」
…いやだって、たまには『ガンダムW』ネタもやっておかないと(笑)。Wファンとしては。
ノリス「怯えろっ! すくめっ! モビルスーツの性能を活かせぬまま、死んでいけっ!!」
まさるシロー「俺は…生きるっ! 生きて…藤原アイナと添い遂げるっ!!」
…深い意味はありません。『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』も好きだ、と、そう言いたいわけですね(←いい加減にしろ!!)
そして、今日の対戦相手元凶登場。
麗子「あらはづきちゃん、どうしたの?」
はづき「ママ、話があるんだけど…」
2階から、2人のファイトを観戦様子を見つめるどれみ、そしてばあやさん。
麗子「ごめんなさい、はづきちゃん、ママこれから家具メーカーの人と打ち合わせがあるんで出かけなきゃいけないの」
次のはづきの一言に、筆者は少なからぬ驚きを覚えました。
はづき「それは断って!! とても大切な話なの!!」
麗子「…え?」
…………あのはづきが、相手の都合を無視しています。
大事な問題なのだから、そうするのも当然なのですが、これは物凄い進歩のはずです。彼女にとっては。
…裏を返せば、それくらい彼女が追い詰められていたのも、また事実。
そして麗子側に、追い詰めていたという自覚が全くないのも、これまた事実。
麗子「…わかったわ。今キャンセルの電話を入れるから、あなたのお部屋で待っていてちょうだい」
はづき「…はい」
場面転換。はづきの部屋のテラスにて。
2人のファイト会話を盗み聞きしようと、壁に隠れ耳をダンボにして(ってこれはどれみだけですが)、どれみとばあやさんが抜き足差し足で忍び寄る。そしてファイト…でいいや、この際(笑)。ともかく第2ラウンドへ。
麗子「で、話って?」
はづき「中学校のことよ。ママ、どうして西沢先生にカレン女学院を受験するなんて言ったの!? 私とちゃんと話し合ってから決めることになってたのに…」
さぁ、このはづきの的を突いた攻撃に対し、麗子はどう出るか!? 今日のはづきが、いつもとは一味も二味も違うというのは明白。どうですか、解説の東方先生?
東方不敗マスターアジア(by 『Gガンダム』)「さぁて、ワシにはこれからが面白くなると見えるがなぁ」
…筆者は何をやりたいんでしょうね?(←知るかよ)
麗子「作文よ」
はづき「作文?」
麗子「『将来の夢』っていう題の作文、こないだ読ませてくれたじゃない?」
はづき「ええ…でもそれが?」
あーっと、ここで麗子の反撃です!
麗子「バイオリニストになりたいって書いてあったでしょう?」
はづき「ええ…」
麗子「バイオリニストになるのなら絶対カレン女学院よ。あそこは芸術コースがあるのよ、中学から専門の先生がついてくれるから絶対いいわ!」
……………
だからお前は阿呆なのだぁぁぁぁ!!!!
なんたる発想の飛躍か、それはっ!! そんな勝手な思い込みで娘との約束を反故にするなど、言語道断よ!!
貴様は己が娘の気持ちなど、何一つわかっておらぬわぁぁぁ!!
何が「絶対」よ、拳の心を知らぬものに何がわかるっ!?(←それは関係ないと思います)
…何で口調が師匠になってるのかといいますと。
本気で書いたら、『ゴーマニズム宣言』読者としてシャレにならないくらいの批判をしてしまいそうなので、ちょっと(?????)ふざけてみました。
そりゃあないでしょう、麗子さん。いつぞやの『#』の時、はづきのリリちゃんの人形劇にちゃんと付き合ってあげたのを見て、「ああ、この人もしっかり大人なんだなぁ」と思ったのですが、どうやら甘かったのかもしれませんね。
はづき「ま、待って!! バイオリニストには確かになりたいけど、今まで通り先生についてレッスンを続けてれば、充分なれると思うわ!」
どれみ、ばあや『うんうん』
こっそりと、こくこくうなずくどれみ、ばあやさん。
で、このはづきの台詞の時、アップになったはづきの表情を横から正面にとらえていくのですが、いきなり背景が光るんですよね。しかも効果音つき。…筆者的には、少々首を傾げた演出でした。「はづきが自分の意見を主張している」と言うことを強調したいのなら、もう少し的確な台詞があったと思うのですが…。ま、そんな細かいことはどうでもいいですけどね。
麗子「はづきちゃん。プロになるのはそんなに甘くはないのよ?」
それは事実でしょう。事実ではあるのでしょうが…
こういうのを「論点のすり替え」と言います。
「プロになるのは甘くない」という事実をもって、「はづきと相談せずに進路を決めてしまった」というもうひとつの事実およびミスを隠そうとしているのです。
…ほら、シャレにならなくなった(汗)。
ともあれ麗子、なかなかの策士です(←自覚があるわけないだろ)。
はづき「でも…」
麗子「はづきちゃん、どうしてママの気持ちがわからないの?」
テラスのテーブルの椅子に座って…
麗子「……今までちゃんとママの言うことを聞いてくれたのに」
早くも、はづき母最強の必殺技を繰り出す。
麗子「ママ、はづきちゃんにとって良かれと思ってるのに……」
"泣き落とし"である。
それはかつて、はづきが矢田に対しても使った技でもあるのですが(笑)。
まぁこれも「論点のすり替え」と、目的は同じでして。「良かれと思ってるから何なんだ」という話なのに、その反論を"泣く"という手段をもって封殺しようという…
…ほら、自分で書いてても引いちゃうくらいですよ(大汗)。ホントは、もっと強烈な修飾詞つけてもいいんですが。「あまりにも○○じみた手段をもって」とか(←やめなさいって…)
が。
本当に、今日のはづきは一味違うのです。
はづき「ママ、泣くなんてずるいと思う!」
!!!!!
麗子「!! …はづきちゃん…」
はづき「泣きたいのは私のほうだわ…どうしてそうやって私に自分の考えを押し付けようとするの!?」
麗子「はづきちゃん、ママが言ったことで、一度だって間違ったことがあった?」
はづき「それは……」
いくらでもあ(以下自主規制)。
もっと言うなら、本当は「間違ってる間違ってない」の問題じゃなくて、「はづきに自分で決めさせる」ことこそに意義があるわけで。
常に正しい方向(とは限らないですが)に向かわせることだけじゃなくて、「自分で決めさせて、失敗させて、何度も失敗させて立ち直る」訓練をさせなきゃいけないんじゃないでしょうか。
これでは、指針なくしては自分自身で何の判断もできない人間に育ってしまいます。そして予想外の事態や挫折に対して対応できない人間に…
…いや、あの。
念のため申し上げておきますが、当方HTBC-PROCははづきファンです。矢田×はづきストではありますが、矢田を個人で好きなように、はづきも個人で好きなのです。
だから、そのファンであるキャラの家族をここまで批判なんてしたくないんです。
なのに、『ゴーマニズム宣言』シリーズで"公"とは何か、"国"とは何か、"学校"とは何か、"親"とは、家族"とは何かを学んできた筆者としてはですね。
このはづき母の言動を、批判せざるを得ないわけですよ。
このジレンマを、わかってくださいなどとは口が裂けても言えませんが……
ああああああああああ(全壊)。
――こちらの小話を見ながら、しばらくお待ちください――
ヒイロ「お前が戦えば戦うほど、『平和』への犠牲が無駄になっていく。もう気付いているはずだっ! 俺たちの戦争は終わっているっ!」
五飛「だからあいこはいらんのか? 両親復縁のためだけに生きたあいこは切り捨てるのか!?」
デュオ「…は?」
ヒイロ(無視して)「兵士は平和のために戦ってきたはずだ!! 今、ここにある平和を信じてみろ!!」
デュオ「……いや、ツッコんどけよそこは」
五飛「俺は数少ないシリアス話担当のキャラとして扱われたあいこの代弁者だ!! 俺は貴様を含む、あいこファン全てのために戦っている!! 俺と貴様は同類だ!! あいこファンとしか、己の存在意義を見出すことができんのだ!!」
デュオ「…………いや、五飛。とりあえず自爆スイッチ押しとけ。きっと大気圏突入のショックで錯乱してるだな、ゆっくり休んどけよ。いーから」
トロワ「違うな、五飛。お前は春風ぽっぷのことを忘れている。さらには、妖精たちもだ。出番云々の問題は、あいこ1人に集約されたものではない」
デュオ「お前も何を言い出すんだ!?」
カトル「あの、はづきさんのことはいいんですか…?」
――五飛ファンの皆様、どうもすみませんでした――
熱き言の葉を交わす、母娘のファイトは続きます。
麗子「ママが言った通りにやってきたから、こんないい子に育ってきたんじゃない」
はづき「私、別にいい子じゃなくてもいい…」
ここで口ごもってしまったのが残念です。何故、いい子じゃなくてもいいと思ったのか。それをきちんと説明してほしかったですね。師匠、一言どうぞ。
マスター「あれではダメだ…」
若干の間を経て、再び。
麗子「はづきちゃん…どうしてママの気持ちをわかってくれないの? ママを悲しませるの…?」
この期に及んで、まだ泣いてる麗子。で、とうとうはづきも…泣き出してしまう。
はづき「私は…私は、自分のことは自分で決めたいだけなのに!!」
足りない言葉を補足するとすれば。
「自分で決めたいだけなのに、どうしてそれだけのことでママは悲しむの?」と。そういうことなのではないでしょうか。
自分のことは、自分で決めたい。
だけど、誰も悲しませたくない。
はづきは必要以上に優しすぎるから、このパラドクスに対して何度も何度もぶつかってきたわけです。
それが今日、とうとう爆発し…もう話もできなくなってしまった。
しかし、それでは何も変わらない。今までの自分と、何ら変わりはしない。
でもそこで、手を差し伸べてくれる"友達"が、彼女にはいました。
どれみ「はづきちゃん、逃げちゃダメだよ!!」
はづきが逃げ出したのを見て、すぐさまはづきの目の前に回り込み、両手で肩を押さえ。
はっきりと相手の目を見つめて、諭す。
麗子「どれみちゃん…!」
どれみ「逃げても何の解決にもならないよ。最後まで話し合わなきゃダメだよ!」
はづき「どれみちゃん…」
目をそむけるはづき。そしてどれみは、麗子にまでも語りかける。
にしても…麗子の後ろで、無表情にはづきとどれみの様子を見つめるばあやさん。渋すぎです。
どれみ「はづきちゃんのお母さんも、はづきちゃんがやっと自分の考えを直接伝えたのに、もっとよく聞いてあげてください!」
ばあやさん「どれみ様のおっしゃる通りでございます」
ここに来て、ばあやさんもいよいよ口を開く。
ばあやさん「奥様、もっとちゃんとお話になられたほうが、よろしいかと思いますが」
麗子「ばあや…」
その言葉に、麗子も落ち着きを取り戻した。
麗子「はづきちゃんごめんなさい。…もう少し冷静に話し合いましょう」
そう言って、ソファに座る麗子。それを見てばあやさんは、あえてその場で正座する。この奥ゆかしさが"イブシ銀"なのです。
ソファには左から、どれみ、はづき、麗子が座った。
目を閉じ、うつむいたままの母娘。話を切り出したのは、どれみだった。
どれみ「はづきちゃんのお母さん、どうしてはづきちゃんを自分の思った通りにしようとするんですか?」
麗子「それは…………」
どれみ「……?」
口ごもる麗子、動かないはづき。
かなり大きく開いた間を見かねてか、ばあやさんが再び助け舟を出した。…このあたりの人間関係、子供の頃から変わってないっぽいですね。
ばあやさん「奥様。桜木様との一件を、お話になられたのがよろしいのでは?」
麗子「あ…」
はづき「…?」
桜木様と。ばあやさんはそう言いました。麗子の気持ちを慮ってのことでしょう。
若干迷い、しかし麗子は娘のほうを向いて、決断しました。
麗子「そうね…」
はづき(桜木って…?)
どれみ「…?」
そう。はづきはお菓子作り以外の家事が何にもできないと思われがちですが。
実はお裁縫はできるんです(どーん)。
…時々、筆者も忘れますけどね(←待て)
さて。前半全く出番のなかった、我らが最強のファイター・矢田まさる。果たして彼はいつ登場するのでしょうか…
麗子(ナレーション)「ママがパパと出会う前…そう、ママがカレン女学院の大学に通ってる頃のことだったんだけど…」
さすがにいつぞやの"奇跡"の時の長谷部のように、いきなり出ることはなかったようです。
以下、回想シーン。
雨の中、傘も差さずに走る麗子。しかも目をつぶって(←危ないぞ)。それをひょいと受け止めた好青年。
麗子「…あっ」
傘の中で、しばし見つめ合う2人。
桜木「よかったら、この傘どうぞ」
麗子「え…?」
桜木「僕のアパート、すぐ近くですから」
麗子「で、でも…」
桜木「じゃ!!」
麗子「あ、待ってください、お名前は…!」
今思えば、この時点でじゅーぶん怪しくはありました。
でもそうは思わなかったのは、きっと『どれみ』という作風が、そうさせなかったのでしょう。
「結局はみんないい人、本当に悪い人なんてどこにもいない」という、今までの作風が。
…しっかし。
しっかし、ですよ。
この桜木花道、どっかで聞いた声だなぁ、って思ってたんですが。
EDクレジットでお名前を拝見して、やっぱりかよ!? と思いました。
桜木役・鈴村健一さん代表作:
『ヒカルの碁』伊角慎一郎役
『スパイラル 〜推理の絆〜』鳴海歩(主人公)役
『デジモンフロンティア』ダスクモン役
個人的には、鳴海歩のイメージが強いですね。
だからこそ大笑いなのですが、流石に声優ネタは控えておきます(笑)。「お前そんなことして大丈夫か、ひよのに殺されるぞ」とか、「むしろこの桜木の行動から彼の真意を導き出すのがお前の役目だろう」とか。
麗子(ナレーション)「そんなことがあって、何日か後…」
場面はどっかの喫茶店に移る。
麗子「こんにちは」
桜木「…ああ、君は!」
麗子「藤原麗子と申します。先日は傘をありがとうございました」
多分、本編中で出てきたのはこれが初めてでしょう。はづき母の本名。
桜木「いやぁ、まさかまた会えるとは思わなかったな」
麗子「お礼を言おうと何日も探したんですよ」
桜木「そうだったんだ…あ、よかったら一緒にコーヒーでもどうですか?」
麗子「え…でもわたくし、男のかたとこういうところでご一緒したことないので…」
いちいち自白するなよ(苦笑)。
桜木「へぇ、お嬢様なんだな、君って」
麗子「そ、そんな…」
上目遣いで麗子を見つめる桜木。多分この時でしょう、色んな算段立てたの。
席を立ち、椅子を引いてやる桜木。麗子も席に着いた。
麗子「どうも…」
桜木「僕は、桜木よういち。売れない詩人です」
微妙に後ろ髪をかき上げるなよ。大して長くもないクセに。
麗子「詩をお書きになるんですか?」
桜木「今も、自分の才能のなさに、頭を悩ませていたところなんだ」
…やっぱり大天才の兄ちゃん(鳴海清隆)のほうが凄いからですか?(←やめたんじゃなかったのかよ、『スパイラル』ネタ!!)
麗子「そんな…、桜木さんってきっと優しい詩をお書きになるんでしょうね」
桜木「よかったら、読んでくれないかな?」
麗子「よろしいんですか?」
紫の表紙。タイトルにはこうあった。『光の射す先』。
桜木「率直な感想を聞かせてくれないか?」
その言葉に、嬉しそうに読み出す麗子。
…ってぇ、ことはだ。
この鳴海弟モドキ(違)、いっつもこの本持ち歩いてんのか。
麗子(君に伝えたいのは幾万の愛の言葉ではなく、君に見せたいのは幾億のきらめく星ではない……)
たちまち目を輝かせる麗子。演出でも、いきなり桜の花びらが舞い散り、華を添える。
麗子(ナレーション)「そこに書かれていた詩はどれも美しく優しく、私の心を撃ったわ。それから私たちはよく会うようになり…彼はそのたびに詩を書いてきて読んで聞かせてくれたの。会えない時は手紙で詩を送ってくれた。ママはその詩にすっかり心を奪われたわ。そして、桜木さん自身にも…」
伝説の桜の木の下だかなんだかよくわかんない、というか筆者は『ときメモ』は知りませんが(笑)。とにかく、懐かしの「この木何の木気になる木」的な大木の下で、幹に背をもたれて詩を読んでいる桜木。いかにもお嬢様っぽいでかい帽子をかぶって、幹のそばに座り込んで聞き入っている麗子。
あー、青春ですね。すんごくありきたりな青春ですよ。そして実際には見たことなんて一度もない青春ですよ(笑)。
そもそも一体この日本の何処に、そんなでかい木のある丘なんてあるんでしょうね?
流石ははづき母。思い出話までお嬢様的である。
ここで、場面が元のはづきの部屋に戻ってくる。
話だけなら、今のところは淡い恋物語ではあるのですが、麗子の表情を見てかあるいは展開を先読みしたのか、はづきもどれみも浮かない顔です。悲しげに、麗子の話に耳を傾けています。
麗子「それでね、両親に桜木さんとの交際を認めてもらおうと、ある日家に彼を招いたの。彼はいつにも増して詩について熱く語り、私との交際の許可を取ろうとしてくれたわ。全てが上手くいくと思った…ところが私の母は、彼の瞳の奥に潜む、鈍い輝きを見逃さなかったの…」
これぞまさしく、真・メガネキラーン(←違うだろ!!)。
麗子の話が進むにつれて、再び回想シーンに入る。
麗子「お母様どう? 素敵な人でしょう?」
麗子母「麗子さん、あのかたとお付き合いするのはおやめなさい」
麗子「お母様…」
麗子母「あのかたは、あなたにはふさわしくありません」
麗子「どうして!? お母様は彼の詩を読んだことがないからそんなことおっしゃるのよ!」
しかし、麗子母は娘に背を向け、それ以上語らなかった。
なお、後ろのほうにこっそり麗子父も姿が出てるのですが、ここでは一言も喋ってません。
麗子(ナレーション)「それから私は彼の人柄について話し、なんとか交際を認めさせようとしたんだけど…母は頑として首を縦に振らなかった」
この辺りから、BGMに心臓の鼓動音が流され始めます。嫌な予感バリバリです。
さて、はづき母とはづきが、本質的なところで似ているのは周知の事実。
そう考えれば、この麗子の努力は特筆に価するでしょう。が。
麗子(ナレーション)「だからママは、家出しようとしたの」
家出かよ!? そんな恥ずかしいこと娘に自白するなよ!?(爆笑)
やってることが現在のはづきと(いや、あいこやおんぷもでしたか)、小学生と変わってません、大学生なのに(苦笑)。
あいこの両親のように"駆け落ち"なら、まだ納得はいくのですが…
そういえば以前、「プチ家出」という実にふざけたものが流行ったとか流行らなかったとかという話でしたが、思うに単なる「家出」も、これと同じもんなんじゃないかなぁと思うんです。
だって家出って、「帰ってこれる家があるからこそ」できることですよね。
「帰ってくる気はない、自分は本当に家を捨てたんだ」ってのは、もう「家出」とは言わないでしょう。
だから結局は、0点のテストの答案が大量に見つかったのび太と、やってることは同レベル、と。
ドラえもん「のび太く〜ん…」
のび太「ドラえもん止めても無駄だよ。僕の決心は今度こそ変わらないからね!」
ドラえもん「のび太くん、いつも思うんだけど…だったら何で僕の道具を持っていくの?」
そりゃあ自力で家出する度胸すらないから…って、そうじゃなくて。
麗子母「麗子さん」
麗子「お母様止めても無駄よ。わたくしの決心は変わらないわ!」
麗子母「麗子さん…」
そう言って、一冊の本を取り出す麗子母。
今までこれを持ち出さなかったのは、極力娘に真実を伝えたくなかったから、なんでしょうね。
麗子「…何ですの、これ?」
麗子母「フランスの有名な詩人の詩集よ。読めばわかるわ」
著者の名は、「ジャン・シルベルト・コクー」。一応検索かけてみましたが、実在の人物ではないみたいです。例によって、似た名前のモデルがいるのかもしれませんが。
そして心臓の鼓動音はどんどん早くなり、ここで止まる。
麗子(君に伝えたいのは幾万の愛の言葉ではなく、君に見せたいのは幾億のきらめく星ではない……!!)
麗子(ナレーション)「その詩集には、桜木さんの詩と全く同じ詩が書いてあったの…」
回想シーンの麗子。愕然と首を傾け、本を取り落とす。
そして現在の麗子。いつの間にやら席を立ち、窓側に立って外の景色を見つめていた。
どれみ「じゃあ、桜木さんの詩は…」
麗子「そう…全部その詩集から書き写したものだったの…」
はづき、どれみ「……」
…『スパイラル』的な展開なら、こんな感じでしょうか(←違うと思うぞ)。
鳴海歩「フランスの著名な詩人、ジャン・シルベルト・コクー。兄貴に一般教養とだまされて覚えさせられたのが、また役に立ったよ…論理の旋律は、必ず真実を奏でる。お前は藤原家の資産目当てに藤原麗子を狙ったに過ぎない、桜木!!」
…ほら、さっぱりわからなくなった(苦笑)。
なお元ネタをご存知でないかたは、これを桜木と同じ声で読んでみてください(笑)。
麗子「ママはそのことを彼に会って問い詰めたの…」
で、さらに回想シーン。
桜木「もうちょっとだったんだが、バレちまったか」
探偵側というより、どっちかっていったら犯人側の台詞を言ってます(←当たり前だ)。ま、歩は探偵じゃないですが。
完全に正体を見せた桜木は。
麗子「ど、どういうことなの桜木さん?」
桜木「どうもこうもねえよ! 世間知らずのお嬢様をだましてたってわけさ」
麗子「じゃあ、今までのことは全部…!!」
桜木「お前の家の財産目当ての茶番劇だったってことさ! とっとと帰りな、お嬢様! …ハハハ、ハハハハハハハハハ!! フフフフハハハハ!!」
このかた、こんな声も出せるんですね…と、当たり前のことを思ってしまった筆者なのでした。この憎ったらしい笑い声は、絶品ですよ。発音、正確には「ハ」になってないですもん。
そして走って逃げ出す麗子。ま、この場合は無理もないでしょうが…
たぶんこれが、彼女にとって初めての挫折なんでしょうし。
以下は、筆者の勝手な妄想です。
…この話、「麗子がはづきに母として語ってる」という設定です。
だからある程度は、彼女の思い込みが入っていると思うし。
それと同じくらいの可能性で、ぼかして語ってる部分があるんじゃないか、と思うんですよ。
それこそ『どれみ』ではとても流せないような、さらなる仕打ちが。
……本当は麗子、桜木にもっとひどい目に合わされてしまったんじゃないでしょうか?
それこそTVドラマなら、心身ともにボロボロにされてそうな展開ですよ、これ。
ま、ともあれ。
麗香様(←え?)、パパイヤ兄弟(笑)、マジョルカ、おんぷ(←おい!?)、オヤジーデ、オジジーデ、FLAT4、魔法使い界国王、先々代の女王、某アゴ(←違うだろ!?)…
この4年間で登場した悪役・敵役っぽいキャラたちは皆、結局はいい人でしたというオチで終わらせていたはずの、『どれみ』という物語に。
あと少しで卒業…というタイミングで、滑り込みセーフで登場した、完全無欠の極悪人・救いようなく改心してない・ルフィ(by 『ONE PIECE』)あたりにブッ飛ばされて当然の悪役たる桜木は、長きどれみの歴史に物凄い変化を加え、名を残したことは間違いないと思われます。
というか…そこまでしなきゃ、はづきの問題って解決できなかったもんなんでしょうか…?
どれみの歴史・伝統を変えてまでも、桜木は出さなきゃならないキャラクタだったんでしょうか…?
そのあたり、ちょっと疑問です。
とりあえず桜木は、本来彼が出演すべき世界観のもとで、矢田父orももこ父こと、サンジくん(by
『ワンピ』。そしてみんな声優さんが同じ。平田広明さん)に三枚にオロしてもらいましょう。よーしゃなく。
結崎ひよの(by 『スパイラル』)の情報力をもってして、社会的に抹殺してもらうのも可(笑)。
余談。にしても彼の顔、いつかのペットショップの柴田さんにそっくりなんですよね。これまた誰かにそっくりな(笑)西沢先生がホレた彼もまた、ある種詐欺師でした(笑)。婚約者いるってのに、西沢先生の言動の意味を全く気づいていなかった。
で、何の疑問も持つことなく、西沢先生の目の前で婚約者を紹介してみせた。笑って。
…彼もまた、なかなかひどいことやってます(笑)。
ともあれ。あの手の顔には要注意ですね(笑)。
はづき「ひどい!!」
麗子「私も若くて、バカだった…」
ばあやさん「奥様はショックで、何日もお部屋に閉じこもって、泣き続けられたのでございましたね…!」
と、目元を押さえるばあやさん。
麗子「ええ…」
ばあやさん「そんな時でございました。旦那様が、藤原家を尋ねて来られたのは…」
はづき「パパが…?」
麗子「ええ。まだ助監督の頃、この家を撮影に使いたいって頼みに来たの」
この時点でも、麗子は窓の外を見たまま。娘のほうを振り返らない。
ばあやさん「先代の旦那様も奥様もお断りしたのに、旦那様ときたら…!」
回想シーン2。
藤原家の玄関で土下座をしている明(のちのはづき父)。ホウキでひっぱたいているばあやさん(ちょっとだけ若く、ちょっとだけ髪が黒い。でも髪形は変わってない)。
ばあやさん「何度来てもダメなものはダメでございます!!」
明「そこを何とか、お願いします! この家が、主人公の家のイメージにぴったりなんです! お願いします!」
おお、流石は映像にこだわりを見せる藤原監督。その後の頑固さを彷彿とさせます。
ばあやさん「あなたねぇ!!」
麗子母「ばあや」
ばあやさん「奥様…?」
麗子母「あなたの情熱には負けましたわ。よろしいですわよ、撮影」
明「ありがとうございます!!」
ばあやさん「わぁぁぁぁ!?」
ホウキをつかんだまま土下座して、ホウキを振り下ろす明。その反動で飛び上がったばあやさんが、ちょこんと明の背中の上に座る。
本来はどれみ世界に住むべきではないキャラ・桜木がいなくなって、一気に空気が『どれみ』らしくなってきました(笑)。
そして、藤原家で撮影開始。
監督「カーット!! カットカット!! おいあれ!!」
と、2階のテラス(今のはづきの部屋と同じところ)から、様子を覗き込んでいた麗子に気づく明。
明「…あ、お嬢さんごめん、君がカメラに入っちゃうんだよ!」
麗子「あ、ごめんなさい」
明「興味があるんだったら、こっちに降りてきたら?」
麗子「は、はい…」
ま、これが馴れ初めというやつですな。
そして母と共に見学をする麗子。弁当タイム中には、ジュースを持ってきたりしている。
麗子「あの…よろしかったら、お飲みください」
明「やあ、ありがとう! おーいみんな、お嬢さんからの差し入れだ、ありがたく飲めよ!」
あっという間に目を輝かせて、頬を真っ赤にする麗子。反省の色皆無(爆笑)。
麗子(ナレーション)「パパと話すたびに、傷ついた私の心はどんどん癒されていったわ…」
いやホント、よかったですね明がいい人で。マジで。これでまただまされてたら、もう立ち直れなかったことでしょう…って、それ以前にはづき生まれないじゃん!?(←そうじゃないんだよ!!)
回想シーンいったん終了。
ばあやさん「2ヶ月に及ぶ撮影が終わる頃には、お二人はすっかりラ〜ブラブになられていたのでございました〜!」
「ラ〜ブラブ」って、あんた歳いくつだよ(笑)。
この柔軟さが魅力です、ばあやさん。最高ですこの人。
いまだ外を見ていた麗子を、踊りながら(笑)覗き込むばあやさん。やっぱり気遣ってるんでしょうね。麗子のこと。
麗子「ば、ばあや…」
はづき「フフ…」
頬を赤らめる麗子。そして微笑むはづき。そう、ここで、今回初めて彼女は笑ったのです。
ばあやさん「本当のことではございませんか?」
麗子「それは、そうだけど…」
認めちゃうのかよ!(さまぁ〜ず・三村さん風に)
ばあやさん「撮影が終わった日には、結婚の申し込みをなさったんですよ〜♪」
早すぎるだろ! 2ヶ月しかたってないじゃねぇかよ!(爆笑問題・田中さん風に)
ともあれそう言って、笑顔でステップするばあやさん。テンション高すぎです(爆笑)。
きっと「さくらなんとか」っていう場違いな人のせいで盛り下がった空気を何とかしようと、奮闘してるんでしょうね(笑)。
どれみ「はづきちゃんのお父さん、やる〜!」
後ろからはづきの両肩に両手を乗せて、どれみも笑顔。
麗子「父は反対したのよ。でも、母はね…」
そりゃ反対するだろ。誰だって反対するよ(苦笑)。ンヶ月前に結婚詐欺未遂or藤原家乗っ取り計画失敗、なんてことが起こったんだから。
そして、回想シーン。
麗子母「私は賛成」
麗子「お母様!」
麗子父「お、おい!!」
明「ありがとぅ――ぃ痛えっ!!」
座ってたソファから降りて、土下座しようとしてテーブルに頭ぶつける明。
麗子「大丈夫明さん…」
ダメダメでしょう(笑)。
麗子父「む、むん…」
咳払いして、目をそむける麗子父。嗚呼、娘を思う父よ。新郎側にとっては最後の試練ですね。この場合は明が婿養子に入るから、娘が家を出て行くわけでもないのに(笑)。
ま、やっぱり無理はないでしょう。ンヶ月前には以下同文。
麗子母「明さんの目、とてもきれいで素敵よ。監督さんからもスタッフさんも信頼されているし、きっといい監督さんになると思うわ」
明「ありがとうございます!!」
今度こそ、テーブルに手をついてちゃんと頭を下げる明。よくよく見れば、撮影中生やしてた無精ひげをきちんと剃ってきてます。って当たり前か…
麗子母に見つめられ、しぶしぶ娘とそれを奪っていく新郎のほうを見る、麗子父。
麗子父「ううむ…」
で、その娘とクソ新郎は、手を取り合って見つめあい…
麗子父「うううぉおおっっほんっっ!!」
巨大なわざとらしい咳払い!! その瞳に炎を宿し、娘を持つ父の平均的・一般的な反応を見せるバカ親父!!
明「うわあああ!!」
慌てて手を離し、真っ赤になってうつむく明。
…そぉか。麗子って確かによく泣くけど、あんまりパニックにならないなぁと思ってましたが。
はづきのパニック性症候群(←そんな大ゲサなもんじゃないだろ!)って、父からの遺伝だったんですね。
そして、これらの「新郎、新婦の父親に最後のガンダムファイト決戦を挑む」図を見て。
ああ、将来矢田も明さんに同じ戦いを挑むんだなぁと、速攻で思ってしまった筆者はバカですか。ええ、バカでしょうとも。
麗子(ナレーション)「母の説得のおかげで、私たちは結婚してはづきちゃんが産まれたの」
ここで結婚写真が現れる。披露宴のほうなので、悔しいことに神前か教会かはわからずじまいでした(←別にいいだろどっちでも…)。
で、神社に産まれたばかりのはづきを連れてお参りに来た夫妻の写真も。
そして、幸せな未来に笑顔を浮かべるはづき、どれみ。
麗子(ナレーション)「そして8年前…」
最後の回想シーンの舞台は、病室だった。
点滴を撃ち、側には心電図等を写す機械も。
麗子母「麗子さん…」
麗子「なぁに、お母様…」
麗子母「私が言った通り、明さんと結婚して、幸せだったでしょう?」
…………
多分、言葉のあやなんでしょう。病床の身ゆえ、ちょっと言葉遣いを間違えてしまったのでしょう。
幸せになるきっかけを作ったのは、確かにこのお母さんでした。
が、実際に幸せになる努力をしたのは明・麗子夫妻であり、それを支えた麗子の父母であり、そしてはづきもそうかもしれない。
それがわからない母親ではないはずです。このかたは。
麗子「ええ…」
麗子母「はづきちゃんにも、私がしたように、親としてちゃんとして良い道を、歩ませるようにしてあげてね…」
麗子「はい…!」
はづきの頭をなでる麗子母。涙を浮かべて、うなずく麗子。
そして不思議そうに、祖母の側にいるはづき。8年前ということは、この時はづきは4歳ですね。ソナチネ幼稚園に通う前。まだ、"死"というものが理解できる歳ではないですね…
長い麗子の回想も、これで終わりを告げた。
麗子「それが母の…はづきちゃんのおばあ様の最後の言葉になったの…」
はづき、どれみ「……」
再び、苦い顔の2人。どれみは、はづきの肩を抑えたまま。
麗子「はづきちゃん、ママはその言葉を守っているだけなの…」
以上で、麗子側の最終弁論は終了。
今までの展開なら、「母はやはり自分のことを思っているのだ、だからそれに応えなければならない」となり、結局はづきは母の気持ちを尊重する…というのが定石でした。『#』11話、「はづきちゃん踊りを習う!?」がその典型ですね。
だからこそ、ここで筆者はかなり心配してました。
ここではづきが折れたら、彼女はこの4年間、何ら成長していなかったということが明らかになってしまうからです。
別段はづきファンでなくとも、これまでずっと『どれみ』という作品を見続けた視聴者全てが抱く思いなんではないでしょうか。
まさにこの時が、はづきの"決着"がつく瞬間なのです。
…さて。
どうですか、解説のシュバルツさん?(←そこに戻っちゃうのかよ!?)
シュバルツ・ブルーダー(by 『Gガンダム』)「甘いぞドモン、寝ぼけ眼(まなこ)を開いてよく見ろ! 藤原はづきが優勢なのは明らかだ」
…いや。もう。ほっといてください(涙)。
はづき「……そうだったの、ママの気持ちはよくわかったわ…」
麗子「はづきちゃん…」
はづき「でも……」
でも?
はづき「それと私の進学の問題は違うと思うの!」
なんとぉぉぉぉおおおお!!!!!!
マスター「フン…ドモン、やりおったわ」
…決着はついたようです。
まさしく、その通り。この一言を言うために、彼女は4年間魔女見習いをやり、そしてMAHO堂に出入りしていたのだ、ってな感じでしょうか?
麗子「ぇ……?」
はづき「お婆様は、ママが間違った道へ行こうとしたから、それを止めようとしたんでしょう?」
言いつつ、母のいる窓際に近づいていくはづき。立ち止まったまま、呆然と聞き入るどれみ。ばあやさんの後ろ姿からは、表情は伺えない。
はづきは言った。母の目を正面から見据えて。
麗子「え、ええ…」
はづき「でも、私は違うわ!」
そして口ごもる麗子。口調を強めるはづき。
「私は違う」と断言までした彼女…もうこの時点で、勝敗はついたようなものでしょう。
時を同じくして、はづきのテーマソング「明日の私」が流れ始める。
…しかし、言っちゃあなんですが、この曲名はもう不適当ですね。
だって「なんでもはっきり気持ちを言え」ているのは、明日じゃなくて、今なんですから。
パプワ「いつかなんて日はいつ だ!」
シンタロー「ごめんなパプワ…大人はすぐに、"また"とか"いつか"とか言っちまうんだよ」
(柴田亜美『南国少年パプワくん』第4巻(エニックス、1993年)第34話「希望への扉」より)
ついに…この日が来たんですね。
4年目にして、はづきが自分の気持ちをはっきり言うことのできた日が。自分自身の力で、自分自身で責任を負って言うことのできた日が。
麗子「……!」
はづき「私が親友のどれみちゃんたちと同じ中学に行くのは悪いことなの!?」
全く、その通り。打ち明け話にあった麗子の過去と、現在のはづきの進学問題を同列視すること自体、無理がある。
母の悲しみを、思いを受け止めつつも、それをきちんと理解して、自分の意見を主張する。
これこそが、はづきが4年間かけて出した"答え"なのです。
自らの優しさを失うことなく、己の気持ちを表現する方法を手繰り寄せる。
それこそが人間関係を構築する上での第一歩なのであり、人間社会で生きていく上でも必要不可欠な能力なのですから。
「善意は心の内にしまえ!」
「善意は心の内にしまい」
「悪を背にしょって、その重さに堪え」
「自分本位の言い分を手放さない」
「…そのくらいの構えがないと、日本人はどこまでもだらしのない民族として世界に軽視され、誇りを失って溶解していく」
(小林よしのり『新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論』(幻冬舎、1998年)最終章「自由と束縛」より)
別に筆者は伊集院さちこは嫌いではないのですが。むしろあの"和"の精神を宿す、奥ゆかしさはかなり好きな部類に入るのですが。
本年の彼女の話では、彼女は「自分の意見を伝える」ことのみ学びました。自分の希望を、わがままを、両親に言ってもいいのだ。それを理解しました。
でも、両親の希望と自分の希望が反した時、ただわがままを言えばいいのか。そんなはずはないわけで。
そう考えると、完全に解決したわけではないんですよね。この時点では。
しかし、この話でのはづきは。
自分が持っている優しさと、自分の意見。これが相反した時、どうそれを折衷していくか。どう折り合いをつけるか。
これを学び始めたのではないか、と思うのです。
その意味では、はづきは一足跳びで伊集院さんのいる場所の、次のステップに進んだということになりますね。
まぁ伊集院さんなら、すぐに追いつくとは思いますが。いや、視聴者の見えないところで、もう追いついているのかもですね。少なくともカレン女学院の願書の件の話を西沢先生から聞いた時、笑顔だったことから考えても。
どれみ「はづきちゃん!」
麗子「それは…」
一歩だけ、はづきに進み寄るどれみ。ここで、彼女も気づいたのでしょう。自分が今日はづきにしていたことの意味を。
そして麗子は、もはや打つ手なし。
はづき「…とにかく、もう一度よく考えさせて、ママ…」
ここで、はづきの主張は終了。ここまで言えれば充分でしょうね。
彼女とて、「バイオリニストを目指すなら、カレン女学院に進む道も考慮しなければならない」ことはわかっているのですから。
顔を横にそらすはづき。そして、麗子は言う。
麗子「……わかったわ。でもママは、はづきちゃんのためだけを思って、アドバイスしているってことは、忘れないでね…」
その母の台詞中に、振り返ったはづきの表情が写る。横目で、母を見つめていた。若干、潤んだ目で。淋しそうな表情で。
麗子「…………ね?」
はづき「…うん…」
ここで、麗子の出番終了。下手すればシリーズ最後の台詞が、この「ね?」かもしれないです。
別に冗談で言っているわけではありません。
つまり、結局はづきママはこの4年間、何も成長しなかった、と言っているのです。残念ながら。娘には及ぶべくもなく。
まだ、この問題は「自分がはづきのことを思っている」の一点だけで解決できるものだと思っているんです。この人は。
これだけはづきが、自分の性格を必死に克服して説明したというのに、(少なくともこの時点では)理解しなかったのです。この母親は。
娘が何を言わんとしたのかを、理解できなかったのです。
……軽く、失望してしまいました。
最後のはづきの表情(どれみの表情もですが)が、浮かないものだった原因が、ここにあるものだとしたら。切ないです。
もっとも人間、そう簡単に変われないですけどね…筆者だって、生まれてこのかたこの二十数年間で何処まで成長したものか。麗子を笑えないでしょう、きっと。
残すところあと何話…と数えることすらためらわれますが、その中で麗子側に何らかの成長的な描写が見られることを、筆者は期待します。
何だかテンション下がってしまいました。
…………………………
シュバルツさん、お願いします!!(←何でだよ!?)
シュバルツ・ブルーダー「よくやった、はづき! どうやら私が手を貸す必要はなかったようだな…だが、本当の修行はこれからだ。自分の好きな時、自分が必要な時に、はたして己の思考を表現することができるかどうか、それが問題だ。はづき、貴様の修行これからも楽しみに見させてもらうぞ! フハハハハハハハハハ、ハハハハハハハハハ……」
そして師匠!!(←またかよ!?)
マスター「フッフッフ、前言撤回。藤原はづき、なるほど磨けば光るやもしれん。また一つ楽しみが増えたようだな、ドモン…」
お二方、今日は解説ありがとうございました!! では皆様、また次のガンダムファイトでお会いしましょう!!
…………………………
『Gガンダム』をご存知でないはづきファンのかたがた。大変申し訳ありませんでした(←今さら謝っても遅ぇよ!!)。
そして、場面は変わる。いつもの河原の橋の上。しかし、矢田はいない。
橋の縁にもたれて、夕日に染まる川を見つめるどれみ。斜め後ろから、はづきが礼を言った。しかし、矢田はいないのである。
はづき「どれみちゃん、今日は心配して来てくれて、本当にありがとう!」
どれみ「ねぇ、はづきちゃん…」
どれみは、はづきのほうを見ていない。しかし、矢田はいないったらいないのである。
はづき「え…?」
どれみ「今日の話聞いてて、あたしはづきちゃんのお母さんと同じこと、はづきちゃんに押し付けてるんじゃないかと思った…」
……確かに、今日のどれみは変だった。
しかし、この河原の主たる矢田はいないったらいないのである(←いい加減にしろ!)。
やり直し。
……確かに、今日のどれみは変だった。
どれみが何のためらいもなく人喰い草を魔法で消し(←だから違うだろ!? 今年の7級試験なんていつの話してんだよ!?)
やり直し2。
……確かに、今日のどれみは変だった。
今にして思えば、やはり彼女は追い詰められていたのでは。40話で言っていたように、自分だけ将来のビジョンが見えていないこと。そして卒業後、皆が離れ離れになってしまうかもしれない…そう、感じていたのではないかと思うんです。
だから今日のように、はづきの気持ちを考えずに、自分の「はづきと一緒にいたい」という思いを述べるだけだった、と(実際はそんなことはなくて、はづきが逃げ出しそうになった時きちんと受け止めた、という功績がきちんとあるのは周知の事実ですが)。
しかし、幼稚園の頃から一緒にいたからこそ、今日のはづきの自己主張に驚き、そして実の母親より圧倒的にその意味を理解した。
だからこそ、今日の自分の行動が、自分のエゴの押し付けにしか思えなくなったのでしょう。
…それが自省できた時点で充分だとは思いますが。やっぱりどれみは心優しい少女です。言うまでもないことですが。
はづき「そんなことないわ!」
どれみ「あたしがはづきちゃんと同じ中学へ行きたいだけで、はづきちゃんの将来のことなんて考えてなかったような気がする…」
ここで、はづきのほうに向き直るどれみ。心底済まなそうな顔で。
はづき「どれみちゃん…」
どれみ「はづきちゃん、あたしの言うことなんか気にしないでさ、はづきちゃんの思った通りの中学を選んで!」
今さら言われても無理じゃないでしょうか。…と思った筆者、最低だ…(泣)。
はづきの両手を握り、笑顔に戻って(作って?)、どれみは今回最後の台詞を言う。
はづき「あ、ありがとう…」
どれみ「はづきちゃん、それじゃ、また明日ね!」
はづき「じゃ、また明日!」
苦笑いのまま、去っていくどれみを見送るはづき。
夜。窓越しに夜空を見つめるはづき。
はづき「どれみちゃん、無理してあんなこと言ってくれたのが、私には痛いほどよくわかるの…レレ、私どうしたらいいの?」
レレ「レレェ……」
……ここで、彼女は全く同じジレンマにぶち当たってしまったのです。
どれみの優しさと、自分の将来。どちらを優先すればいいのか。
皮肉にも、はづきをずっと気遣っていたどれみの言動が、彼女を再び迷わせてしまったという…
もっとも。
ここで彼女が悩んでいるのは、「自分の気持ちがはっきり言えない」ことではなくて。
自分の進学問題、すなわち「自分の将来」なのです。
ここに問題がスライドした以上、最初の「自分の気持ちがはっきり言えない」というテーゼはもうクリアされているんです。
だからもう、「自分の気持ちがはっきり言えない」から進学についても以下同文、ということはないのです。
…条件は、揃いました。あとははづきの心一つです。
次の日の学校。休み時間、はづきは職員室を訪れていた。
西沢先生「私の友達も、カレン女学院のピアノ科を卒業したんだけど、優秀な教授陣のおかげでね。国際ピアノコンクールで優勝して、今ではプロとして活躍しているのよ」
はづき「そうなんですか…。関先生はどうしたらいいと思いますか?」
関先生、お願いします!!
関先生「悩むべし!」
はづき「え?」
関先生「あとで後悔しないように、悩めるだけ悩んだほうがいい。以上!」
もはや何も言うことないです。このアドバイス。流石は関先生、格が違います。
考えてみれば、『#』で関先生に恋人ができた時。関先生も悩んでました。
「今の生徒が大事」という"公"としての自分と。
「結婚したい」という"私"としての自分の狭間で。
もちろん最終的には、関先生と喜多川さんの2人で、「喜多川さんが、今の生徒の卒業式の日に迎えにいく」という折衷案にたどり着いたわけなのですが。
この時も悩めるだけ悩んでいたでしょうから、説得力が違います。
全てを伝えた後、席を立った関先生に、西沢先生がちょっとむくれて言う。
西沢先生「先輩、それって冷たくありません?」
関先生「自分の道は、自分で決めるほうがいいよ」
去っていく関先生。全ての役目を果たして。自分が、今の教え子にできること全てを終えて。
呆然と、その後ろ姿を見ているはづき。
と…
同時に…
流れ出した。
聞こえるのだ。
あの曲が。
…………
皆さんお待ちかねぇー!! 遂にあの男が満を持して、我々の前に姿を現すのです!!
その鮮やか(???)な音色をバックに。父より受け継いだ、自身のトランペットで奏でる名曲「キラキラ星」と共に。
"美空小最強の男(たぶん)"矢田まさる。
今まさに、最後の最後で、その彼が悩める藤原はづきの前に登場いたしました!! 皆さん、盛大な拍手をもって新郎最強のファイターをお迎えください!!
場所はもちろん、いつもの河原。
帰宅中、橋の上を駆けていくはづきが、その思い出の曲に気づいた。
はづき「まさるくん…」
もちろん、はづきは下に降りてくる。
うつむきながら、話を聞き終えた矢田。
まさる「…なるほどな」
はづき「…私、どうしていいかわからなくて…」
どれみの気持ちも大切にしたい、しかし自分のことも…と、また結局は同じ袋小路に入っているはづき。
矢田はバッサリと斬り捨てた。顔を上げて。やはり、はづきの目を正面から見て。
まさる「俺が美空中へ行けって言ったら、藤原はそうするのか?」
はづき「え…、ううん……」
まさる「だったらなんでここへ来たんだ」
川に、石を投げる。4回くらいバウンドした(←だから何なんだ)。
まさる「何故自分ってもんを信じないんだ。藤原の人生は藤原のもんだ。家族や友達が、とやかく言うもんじゃない。後悔しないためにも、お前自身が決めるもんだと、俺は思うぜ」
確かに、人間というものを構成するのは、自分自身だけではない。
「愛する者を守るために死ねるか? …それが問題だ」
「『愛するもののために』と言った時、その愛する者は彼女(あるいは彼)の家族や地域が育んできたはずで…」
「さらに彼女の用いる言語や、彼女を取り巻く自然・慣習が育んできたはずだ」
「彼女を取り巻く『公』が、かくも素晴らしき彼女を育ててくれたと言えるだろう」
「『自分のために』を超えたところに、『公 = 国』が現れる」
(『新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論』(幻冬舎、1998年)第21章「個を越える勇気と誇り」より)
自分自身は、自分自身だけで生きていけるはずなんてない。
家族がいて、友達がいて、初めて生きていける。自分に自信が持てる。それは間違いないでしょう。
しかし、そこに自分の意志が介在せねば、意味がない。
「愛する者を守るために死」ぬことを決断するのは、あくまでも自分自身であるはず。
自分自身は、様々な人間関係の中で、"公"の中で生きていくものだけど。
最終的に決断するのは、"個"としての自分自身である。
まさに、今まさにこの時のはづきが、それに当たるのでしょう。
だから、あくまでも、決断するのははづき自身でなければならないのです。
それはもちろん、自分勝手に決めていいものではなく、自己責任のもと決めるもの。
よってどんな形であれ、決断した以上は、自分で責任を取らなければならない。
だからこそ、自分で決断しなければ、後悔してしまうわけです。
はづき「…………」
再び悩もうとしたはづき。しかし矢田は、間髪入れずに言いました。
まさる「なぁ藤原、バイオリン持って来いよ!」
はづき「…え?」
4年間、今までなかったのが不思議なくらいの二重奏が、夕焼けの中響き渡る。
目を閉じたまま、互いの楽器を奏でる2人。
で…
よく見ると、演奏の最後のところで矢田が画面に背を向けて、はづきのほうに向き直るんですよね。
すると、はづきが目を開ける。
でも、矢田の表情は見えない。
……何やら、我々には見えないアイコンタクトが交わされたに違いありません(笑)。
そして向かい合ったまま、演奏は終わる。
はづき「まさるくんありがとう、なんか心が少し軽くなった」
まさる「…そっか」
まぁ、確信犯なんでしょうが。
「魔女は楽器で魔法をかける」という設定の本作。確かに音楽は心を動かします。唄はリリンの生み出した文化の極みです、夏祭りでハナが出会った謎の青年(CV:石田彰さん)が言っているように(笑)。
『ドッカ〜ン!』9話「はづきのキラキラ星」のラストのように、この2人の場合、そもそも交わす言葉自体要らないわけです。
だから矢田自身が言うように、「とやかく言うもんじゃない」から、矢田は自分ができる精一杯のことをやった。関先生と同じように、最小限かつ最大限のことを。
それはアドバイスであり、また音楽によって気分を落ち着かせてやることである、と。
関先生にしろ、矢田にしろ。
この話の中では出番こそ少ないですが、その役割はまさにはづきにとっては過不足のないものだったと。それは間違いないのではないでしょうか。
前に出すぎず、しかし何もしないわけでもなく。
やはりはづきにとって、関先生は最高の"先生"なんですよね。そして…
まさる「なぁ藤原……。俺とお前は、中学が違っても、今まで通り、幼なじみで変わらないと思うぜ」
はづきにとって、矢田は最高の"幼なじみ"だと。
…………
悔しくなんかないですよ。ええ。悔しくなんかないですってば(号泣)。
冗談はともかく(マジで)。
彼女の悩みは、「どれみ(たち)の気持ちを尊重したい」という一点に集約されていたわけです。
だから、「もし自分が違う中学に進学したとしても、変わらず"大親友"でいれば、一向に構わない」わけです。
だからこそ、矢田は「中学が違っても、今まで通り」、「変わらない」と言ったわけなのです。
自分もそうだから、きっとどれみ(たち)もそうなんだ、と。
言葉少なげですが、やはり彼は、はづきを理解しているんだなぁ…と、しみじみ思える台詞です。
決して「変わってください。いい方向に変わりまくってください!!」なんて思ってないですよ。思ってなんて…いるもんか(号泣)。
そして。
上記の台詞と共に、場面ははづきが自宅の机の前に座っているシーンに切り替わる。
灯りも消えていて、相当遅くまで悩んでいたことが推測される。
机の上の進路調査表。
「藤原はづき」と名を書き。
第一志望のところで、鉛筆が止まる。
悩み続ける、はづきの表情。
ここで、画面は暗転。
42話、終了。
彼女の決断が明らかになるのは……きっと、彼女たちが視聴者にお別れを告げる時、なのでしょうね。
いつものどれみCM。
どれみ「今日は誰かな?」
あいこ「あたしが紹介するのはレンタルビデオ。毎月出るから借りてな! 『vol.3』、好評レンタル中!」
ハナ「ハナちゃんも借ぁりよっと!」
よぉ〜〜〜く、ビデオのジャケットを見てみましょう。
前面に、どれみとはづき。
その後ろには、小竹と矢田。
…ジャケットからして矢田はづ!! ナイスです、マーベラスエンタテイメントさん!!
おまけにちょっとテレてる矢田!! 最高です、馬越さん!!
3巻目ということは、『ドッカ〜ン!』ではちょうどかの名作・修学旅行篇。小竹や矢田が現れるのも無理ないことですね(嬉)。
興奮冷めやらぬまま、続きのどれみCM。
どれみ「今度は誰かな?」
おんぷ「瀬川おんぷです♪ 私が紹介するのはこのCDアルバムよ。『6年2組盤』、好評発売中!」
ハナ「ハナちゃんも聴くよ!」
…あ、順番的にあいおんだ(笑)。
しかし、最初に見た時から思ってましたが。
さすがは"世紀のチャイドル"瀬川おんぷ、この台詞言うのにいちいち踊ってポーズ決めてウィンクまでしてます。何という商売根性プロ意識でしょうか。職業病なだけかもしれませんが(笑)。
今にして思えば、今夏流れた『おジャ魔女音頭でハッピッピ!! / MAHO堂』。
矢田、EDに初登場してたんですね。
まぁそれを言うなら、関先生も山内信秋も島倉かおりも長谷部もむつみも小竹も麗香様も信子も新SOSもみんなそうでしたが…
PSソフト『おジャ魔女どれみドッカ〜ン! にじいろパラダイス』CMが、次回予告も終わって、「この後は、『題名のない音楽界会』」も終わった後に、いきなり流されました。他局の『デジモン』にチャンネルを早々と変えてしまってたら、気づかなかったですね。
…ま、筆者は『デジモン』すら見ていないんですが(←お前な…)
どれみ「大変、レインボーフラワーが咲かない!」
どれみ、はづき、あいこ「えーっ!?」
絵的にはおんぷもももこもハナも、マジョリカまで驚いていますが、喋ったのは3人のみ。何故ならこのCM、3人の声優さんしか出演してないので(笑)。
どれみ「みんな、力を貸して! 思いやりの心を集めなきゃ!」
で、ゲームの画面映像が流れます。すると…駒のおジャ魔女たちに混じって、奥山さんが顔だけ出てます。一瞬。
…何故、彼女だったのか。それは誰にもわかりません。
ちなみに下のほうにテロップが出ているのですが。
「このままじゃ、雨が降らない!!」
「キーワードは、思いやりの心?!」
「雨が降らない」? …ああ、日照り続きのアラバスタ王国(by 『ONE PIECE』)に行って、クロコダイルをブッ飛ばしに行くんですね(←絶対違う!!)。
さらには、こんなテロップも。
「登場キャラ 50人以上!!」
…そうですか。『スーパーロボット大戦』のようにみんな喋ってくれるんですね(←誰もそんなこと言ってねぇよ!)。
時期的には同じ11/28に発売される、『SDガンダム G-GENERATION NEO』でも可。あのデモ映像の「ヒイロデュオトロワカトル五飛 VS 東方不敗」という燃えまくりの映像を見て、筆者が「どれみはづきあいこおんぷももこ VS 東方不敗」という妄想をしたのは秘密である。
んで、その時映ってた「登場キャラ」の図ですが。
上段は、関先生、新SOS佐藤・太田・佐川、ララ、マジョドン、マジョポン&マジョピー(保母さん服)。
中段は、ももこ、おんぷ、ハナ、マジョリカ、どれみ、はづき、あいこ、マジョハート先生。
下段は、かよこ、島倉、麗香様、小竹、矢田、マジョミラー、オヤジーデ(魔法使いVer.)、モタ&モタモタ。
みょお〜〜〜〜に偏りありませんか、この人選?(笑) よもやマジョドンさんにまでお目にかかれるとは…
はづき「みんなで遊ぼ!」
あいこ「すごろくゲーム!」
どれみ、はづき、あいこ「おジャ魔女どれみドッカ〜ン!」
リュウセイ・ダテ(『超機大戦SRX』主人公)「スーパーロボット大戦、オリジナルジェネレーション!」
どれみ「『にじいろパラダイス』!」
どれみ、はづき、あいこ「特典もドッカ〜ン!」
アムロ=レイ(『機動戦士ガンダム』主人公)「迷うことはないはずだ!」
…もう、誰にもツッコんでもらえそうにないですね(←当たり前だよ!)。
なお、初回特典はもちろんガンプラではなく、「特製ルービックキューブ」(3×3×3cm)だそうです。
…確かに、この終わりかただと、「尻切れトンボ」とか「何も決着ついてない」とか思えてしまいます。一見。
筆者も、実は違う意味でそう思っています。
一つ、麗子側の成長が全く見られなかったこと。まぁ彼女にも過去があることがわかりましたし、人間歳を取れば取るほど、そう簡単に変われなくなるものでしょうから、これが一番リアルなのかもしれませんが。
もう一つ、現在の明が全くの蚊帳の外にいたこと。一家の大黒柱ですからね、何か娘に一言や二個とあってもよかったのではなかろうかと。そして、妻にも。
しかし…
はづき「それは断って!! とても大切な話なの!!」
はづき「ママ、泣くなんてずるいと思う!」
はづき「でも……それと私の進学の問題は違うと思うの!」
はづき「お婆様は、ママが間違った道へ行こうとしたから、それを止めようとしたんでしょう? 」
はづき「でも、私は違うわ!」
はづき「私が親友のどれみちゃんたちと同じ中学に行くのは悪いことなの!?」
はづきがこれだけ言えたのですから、充分でしょう。
先にも書きましたが。
「自分の気持ちをはっきり言う」というテーマは、麗子に反論できた時点で、もうクリアされているんです。
よって、残るは「進学問題」と。
実は、筆者的に一番怖かったのは、4年間のはづきの「自分の気持ちをはっきり言う」というテーマが、「進学問題」というその問題の一部でしかないものにすりかえられて、それさえクリアできればオッケー、という展開でした。
だけど、もう彼女のメインテーマはクリアされた。
そして残ったのが、「進学問題」というわけなのです。
ここで彼女が悩んでいるのは、もう「自分の気持ちが母親に言えない」ことではなく。
どれみの気持ちもわかる自分と。
バイオリニストになりたい自分。
そのどちらの"自分"を選ぶか、なのです。
だからもう、筆者的には、ここで終わってもらって一向に構わないんです。
そう、結論を出しましたがいかがでしょうか。
「日本人の個にも、神は降臨する」
「人が自分を超える善悪の彼岸を求めたその先に、『神』は現れたのだ」
「お天道様が見ていなさる」
「バチかぶるぞ」
「しょせん仏様の掌の中」
「昔の人はそう言っていたが、公の基準を求めてやまぬ人々が、ずっといたのだろう」
(『新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論』(幻冬舎、1998年)第8章「公から離脱した個は人ではない」より)
今までのはづきは、優しすぎるが故、あまりにも自己表現というものが下手で。
しかし時々垣間見せる"個"は、アクが強い。そう言われてきました。
要するに、社会的な"公"と、自分自身たる"個"に、どうやって折り合いをつけて生きていけばいいかがわからなかった、と。
そして、それがわからないから…
己が"個"すら、主張することができずにいた、と。
「ごーまんかましてよかですか?」
「個と公が相似する神を、自分の中に創る」
「人はその理想を捨てる勇気は持たない」
「公を離脱する個は、獣をしみ出すからだ」
「関係性の中で、人は人になる」(同上)
彼女はやっと、スタートラインに立ちました。
これから、「藤原はづき」という人物は、長い時間をかけて、"人"となっていくのです。
家族、友達、先生、社会…といった"公"と。
ようやくつかんだ"個"との狭間で。
支えあう"人"として、人と人の間で生きていく"人間"として、醸成されていくのです。
…お粗末様でした。
脚本 | |
栗山 緑 | |
原画 | |
河野 宏之 | |
永島 英樹 | |
藤井 孝博 | |
演出助手 | |
木村 延景 | |
美術 | |
行 信三 | |
田中 里緑 | |
下川 忠海 | |
作画監督 | |
河野 宏之 | |
演出 | |
山吉 康夫 | |
キャスト | |
春風どれみ | 千葉 千恵巳 |
藤原はづき | 秋谷 智子 |
妹尾あいこ | 松岡 由貴 |
瀬川おんぷ | 宍戸 留美 |
飛鳥ももこ | 宮原 永海(矢田まさると兼役) |
パオ | かないみか |
ハナちゃん | 大谷 育江 |
マジョリカ | 永澤 菜教 |
ララ | 高村 めぐみ |
レレ | 水樹 洵 |
玉木麗香 | 永野 愛 |
西沢先生 | 徳光 由禾 |
関先生 | 葛城 七穂 |
はづきのママ | 前田 真里 |
はづきのパパ | 乃村 健次 |
ばあや | 斎藤 祐子 |
麗子のママ | 滝沢 久美子 |
麗子のパパ | 上別府 仁資 |
桜木 | 鈴村 健一 |
協力 | 東映アカデミー |
以上敬称略 |
公開日:2002年11月27日